【F1チーム代表の現場事情:アストンマーティン】ドライバー交代、テロ発生…初仕事で苦難に直面も、巧みに対処

 大きな責任を担うF1チーム首脳陣は、さまざまな問題に対処しながら毎レースウイークエンドを過ごしている。チームボスひとりひとりのコメントや行動から、直面している問題や彼のキャラクターを知ることができる。F1ジャーナリスト、クリス・メッドランド氏が、2022年F1第1戦バーレーンGP、第2戦サウジアラビアで、アストンマーティンの新代表マイク・クラックの言動をウォッチした。

────────────────────────────────────

 F1レースウイークエンドには毎回、大きなドラマを抱えているチーム代表がひとりかふたりいるものだ。2021年には、レッドブルのクリスチャン・ホーナーとメルセデスのトト・ウォルフの間にしばしば論争が巻き起こり、注目を集めた。

【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第1/2戦】着実に成長も不運に阻まれた。腐らず集中を

 2022年、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っていく。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第1戦バーレーンGPと第2戦サウジアラビアGPについて語ってもらった。

──────────────────

「これはあんまりだ……」サウジアラビアGP決勝スタートまで約40分という時に、角田裕毅がアルファタウリをランオフエリアに停めるのを見て、私は思わずつぶやいた。どれだけ不運なんだ。トラブルのせいで、予選でタイムを出せなかった上に、レースに出ることもできないだなんて! 

【新連載:利権と闘争】ベッテルならどうした? 危険に目をつぶってでも強行するほかなかったF1サウジアラビアGP

 autosport web/F1速報公式サイトで長年連載してきた「ホンダF1甘口コラム」「ホンダF1辛口コラム」の「辛口」パートの執筆者ニック・リチャーズ氏が、F1の政治問題をテーマにする新コラムをスタート。独自のシニカルな視点で時事に切り込む。

────────────────────────────────

 長年私は「ホンダF1辛口コラム」を執筆してきたが、2021年末でホンダはF1活動をやめてしまい(レッドブル・パワートレインズにエンジンとスタッフを提供してはいるが)、残念ながらもうホンダについて書けることはない。しかし今年は、F1における政治的な問題について書いてほしいという、新しい依頼を受けた。

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】最悪のタイミングでSC導入。不運が続くも9位入賞、勢力図変化も実感

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。今年で2回目となるサウジアラビアGPでは、ミック・シューマッハーが予選で大きなクラッシュを喫した。幸いシューマッハー自身に大きな怪我はなかったが、マシンは大破。決勝レースを欠場することになった。一方ケビン・マグヌッセンは2戦続けてのポイントを獲得したが、もっと高い順位での入賞が見えていただけに悔しい結果となった。そんなサウジアラビアGPの現場の事情を小松エンジニアがお届けします。

【F1第2戦無線レビュー(2)】レース終盤は息詰まる首位攻防戦「自分たちの仕事をしよう」とフェルスタッペンに檄

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPのレース中盤以降、優勝争いはセーフティカーのタイミングで首位に浮上したシャルル・ルクレールと、2番手マックス・フェルスタッペンに絞られた。レース後半に入るとトラブルなどでリタイアするクルマが増え、それによるVSCや黄旗が各車の状況を左右する展開に。サウジアラビアGP後半を無線とともに振り返る

F1技術解説:第2戦(3)メルセデスの不可解なウイング処理。ハミルトンすら苦しむ不安定なマシン

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違い第2回では、レース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抑えきれなかった理由を解説。第3回では、競争力不足で苦しんだメルセデスのウイングにフォーカスする。

【F1第2戦無線レビュー(1)】アルピーヌのチームメイト争いが激化。アロンソ「このまま行くのはちょっとクレイジーだ」

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPでは、週末を通してトラブルに悩まされた角田裕毅がスタート前にマシンを降りることになった。一方レースでは、キャリア初のポールポジションを獲得したセルジオ・ペレスが2番手シャルル・ルクレールの逆転を阻止しようとしたピットストップを行った直後にセーフティカーが導入され、ポジションを落とす展開に。サウジアラビアGP前半を無線とともに振り返る

F1技術解説:第2戦(2)レッドブルvsフェラーリ。なぜVSC後に一気に差が縮まったのか

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて解説。第2回では、レース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抑えきれなかった理由について探る。

F1技術解説:第2戦(1)ローダウンフォース仕様でフェラーリに勝利したレッドブル

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では、激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて考察する。

────────────────────────────────

 F1サウジアラビアGPで、マックス・フェルスタッペンは、シャルル・ルクレールとの一騎打ちを制した。しかしレースフィニッシュの差は0.549秒、セルジオ・ペレスが初ポールを獲得した予選も2番手ルクレールとはわずか0.025秒差と、レッドブルとフェラーリは超接近戦を繰り広げた。

サウジアラビアGP出場拒否は不可能だったドライバーたち。F1ボス、開催地の基準見直しは約束

 3月25日、F1サウジアラビアGPのFP1セッション中に、ジェッダ・サーキットからわずか9kmしか離れていないアラムコの石油精製プラントがミサイル攻撃を受けた。これに懸念を感じ、F1ドライバー全20人がその日の夜に4時間にわたりミーティングを行ったが、結局は同地にとどまり、レースに出場することを受け入れた。しかし彼らは、F1ボスから、開催地の基準を再検討するという約束を取り付けたという。