【角田裕毅を海外F1ライターが斬る:第1/2戦】着実に成長も不運に阻まれた。腐らず集中を

 2022年、アルファタウリ・ホンダの角田裕毅は、F1での2シーズン目を戦っていく。昨年に続き、エディ・エディントン氏が、グランプリウイークエンドを通して角田の動きをくまなくチェックし、豊富な経験をもとに、彼の成長ぶり、あるいはどこに課題があるのかを忌憚なく指摘する。今回は2022年F1第1戦バーレーンGPと第2戦サウジアラビアGPについて語ってもらった。

──────────────────

「これはあんまりだ……」サウジアラビアGP決勝スタートまで約40分という時に、角田裕毅がアルファタウリをランオフエリアに停めるのを見て、私は思わずつぶやいた。どれだけ不運なんだ。トラブルのせいで、予選でタイムを出せなかった上に、レースに出ることもできないだなんて! 

コース改修とひとつ飛ばしのタイヤ選択により、F1オーストラリアGPは未知の週末に。ウイリアムズは“妥協”が必要と予想

 ウイリアムズの車両性能責任者を務めるデイブ・ロブソンは、F1第3戦オーストラリアGP向けのタイヤセットのうち種類をひとつをとばすというピレリの決断によって、決勝日にセットアップ上重大な妥協をしなければならないと述べている。

 ピレリは今週末のオーストラリアGPで、C2とC3タイヤ、そしてC4をとばしてC5タイヤをチームに割り当てるという試みを行うことにした。ピレリが通常とは異なるタイヤラインアップを揃えたうえに、アルバートパーク・サーキットではコースの改修が行われたことで、チームは3年ぶりのメルボルンでいくつか興味深い挑戦に直面することになる。

【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第3回】最悪のタイミングでSC導入。不運が続くも9位入賞、勢力図変化も実感

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。今年で2回目となるサウジアラビアGPでは、ミック・シューマッハーが予選で大きなクラッシュを喫した。幸いシューマッハー自身に大きな怪我はなかったが、マシンは大破。決勝レースを欠場することになった。一方ケビン・マグヌッセンは2戦続けてのポイントを獲得したが、もっと高い順位での入賞が見えていただけに悔しい結果となった。そんなサウジアラビアGPの現場の事情を小松エンジニアがお届けします。

【F1第2戦無線レビュー(2)】レース終盤は息詰まる首位攻防戦「自分たちの仕事をしよう」とフェルスタッペンに檄

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPのレース中盤以降、優勝争いはセーフティカーのタイミングで首位に浮上したシャルル・ルクレールと、2番手マックス・フェルスタッペンに絞られた。レース後半に入るとトラブルなどでリタイアするクルマが増え、それによるVSCや黄旗が各車の状況を左右する展開に。サウジアラビアGP後半を無線とともに振り返る

フォルクスワーゲングループがアウディ&ポルシェのF1参戦を今週承認か

 フォルクスワーゲングループは今週、モータースポーツの将来について重要な決定を下す予定であるとみられている。以前から報道されているように、彼らは、新しいエンジンレギュレーションが導入される2026年にF1に参入することを検討している。最も可能性が高いシナリオは、アウディがマクラーレンと何らかの形での提携を結び、ポルシェがレッドブルのエンジンパートナーになることだ。

 マクラーレン・レーシングのチーフエグゼクティブ、ザク・ブラウンは、アウディとの交渉について、「会話をしている」と最近認めた。マクラーレンの取締役会を見ても、アウディとの将来の提携を示す兆候がある。2カ月前にマクラーレンは、ミハエル・マッハとシュテファン・ヤコビーを新たに役員として任命した。

ヘルムート・マルコ、苦戦中のメルセデスF1は「ポーパシングをコントロールできれば戻ってくる」と警戒

 レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メルセデスが2022年型マシンに影響を与えている問題を解決したら、F1のトップグループでの戦いに加わるようになると確信している。

 メルセデスは、W13のパフォーマンスを損なっているポーパシングの解決に苦慮している。バーレーンでの開幕戦では、ルイス・ハミルトンが表彰台フィニッシュを獲得したものの、メルセデスのペースはレース序盤を制したレッドブルとフェラーリに大きく離されていた。

F1技術解説:第2戦(3)メルセデスの不可解なウイング処理。ハミルトンすら苦しむ不安定なマシン

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違い第2回では、レース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抑えきれなかった理由を解説。第3回では、競争力不足で苦しんだメルセデスのウイングにフォーカスする。

アルピーヌF1、アロンソ車に発生した問題を特定。第3戦オーストラリアGPに向けてPUを交換へ

 フェルナンド・アロンソは、今週のF1第3戦オーストラリアGPでペナルティを受けずに新しいエンジンを投入することになった。アルピーヌが、第2戦サウジアラビアGPでアロンソが使用したパワーユニットにウォーターポンプの不具合とそれに関連する損傷部分があることを突き止めたのだ。

 サウジアラビアGPでアロンソは7番手を走行し、力強いレースをしていたが、35周目にリタイアを余儀なくされた。アロンソはジェッダのピットレーンまで惰性で進んだが、そこでマシンが止まりレースを終えた。

3年ぶりのF1オーストラリアGPに向け、新コースレイアウトの詳細が明らかに。DRSゾーンは4カ所に設置

 メルボルンとF1は今週のオーストラリアGPに向け、コース上でのショーを改善するためにベストを尽くしてきた。アルバートパークのレイアウトを調整し、オーバーテイクの促進のために4カ所のDRSゾーンを設けたのだ。

 オーストラリアの新型コロナウイルスに関する規制により、メルボルンで2年間レースが行われなかったため、F1がオーストラリアに戻るのは2019年以来のこととなる。