【中野信治のF1分析/第2戦】限界の先が難しい2022年F1マシンの特性。DRSゾーンを譲り合う奇妙で痺れる首位バトル

 新規定元年でマシンの見た目が大きく変わった2022年シーズンのF1がついに始まり、昨年までとは勢力図もレース展開も大きく変更。日本期待の角田裕毅(アルファタウリ)の2年目の活躍とともに、元F1ドライバーでホンダの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点でレースを振り返ります。今回は第2戦サウジアラビアGP。予選の大クラッシュ、そして決勝終盤の優勝争いが大きなトピックになりました。

F1技術解説:第2戦(2)レッドブルvsフェラーリ。なぜVSC後に一気に差が縮まったのか

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて解説。第2回では、レース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抑えきれなかった理由について探る。

WRC王者ローブ、DTMデビュー決定。レッドブル・アルファタウリAFコルセのフェラーリで代役参戦へ

 WRC世界ラリー選手権の9連覇王者であるセバスチャン・ローブが、フェラーリ488 GT3 Evoを走らせるレッドブル・アルファタウリ・AFコルセのドライバーとしてDTMドイツ・ツーリンカー選手権にデビューすることが正式発表された。

 今季のWRC開幕戦モンテカルロで優勝したラリー界のスターは、4月29日から5月1日にかけてポルトガルで行われる2022年シーズン開幕戦ポルティマオにおいて、ニック・キャシディの代役を務める。

フェラーリF1「マシン開発の準備は以前に比べはるかに整っている」風洞やプロセス、シミュレーションを改善

 フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、今シーズンのF1で必然的に展開される開発競争について、フェラーリは過去に比べて“はるかに準備が整っている”と述べている。

 フェラーリとレッドブルは、開幕から優勝を争い2022年シーズンをスタートした。2チームはバーレーンGPとサウジアラビアGPを支配し、それぞれシャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペンが勝利を飾った。

F1技術解説:第2戦(1)ローダウンフォース仕様でフェラーリに勝利したレッドブル

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では、激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて考察する。

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 F1サウジアラビアGPで、マックス・フェルスタッペンは、シャルル・ルクレールとの一騎打ちを制した。しかしレースフィニッシュの差は0.549秒、セルジオ・ペレスが初ポールを獲得した予選も2番手ルクレールとはわずか0.025秒差と、レッドブルとフェラーリは超接近戦を繰り広げた。

フェラーリ DAYTONA SP3 がドイツのレッド ドット デザイン賞 の「レッド ドット ベスト オブ ザ ベスト」を受賞

レッド ドット デザイン賞のプロダクトデザイン部門で、Ferrari Daytona SP3がレッド ドット:ベスト オブ ザ ベストを受賞した。812 Competizione/812 Competizione Aと2 […]

フェラーリ&サインツ「レースディレクターの判断の遅れが不公平を生んだ」ペレスとの順位入れ替えのタイミングを問題視

 フェラーリのチーム代表マッティア・ビノットとカルロス・サインツは、F1第2戦サウジアラビアGP決勝中、セーフティカー導入時にレースディレクターの判断が遅れたことで、より上位を狙うチャンスを失ったとして、大きな不満を抱いている。

 セーフティカー出動中、ピットアウトしてきたサインツがわずかにレッドブルのセルジオ・ペレスより前でコースに戻ったが、ペレスはサインツを追い越し、前の位置を維持した。ペレスがサインツにポジションを戻したのは、セーフティカー後のリスタートの時だった。そのため、サインツはリスタート時に、前にいたマックス・フェルスタッペンにチャレンジするチャンスを得られなかった。

「レッドブルRB18はプリマドンナのよう」とマルコ。フェラーリより扱いが難しいと評す

 レッドブルのモータースポーツコンサルタント、ヘルムート・マルコは、RB18を「プリマドンナ」と呼び、扱いが難しいもののポテンシャルは非常に高いとの考えを示した。

 2022年F1開幕戦ではレッドブルのマックス・フェルスタッペンがフェラーリのシャルル・ルクレールを追う展開のなか、フェルスタッペンはトラブルでリタイア、フェラーリが1-2で大量にポイントを稼いだ。第2戦ではルクレールと激しく首位を争ったフェルスタッペンが勝利を収めた。

レッドブルF1代表、DRS検出ラインの変更を検討すべきと示唆。ジェッダでのような駆け引きは「絶対に避けたい」

 レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、F1第2戦サウジアラビアGPで見られたような“駆け引き”を防ぐために、F1はDRSの検出ラインを変更すべきだと提案している。

 サウジアラビアGPの勝者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と2位のシャルル・ルクレール(フェラーリ)は、ジェッダでのレース終盤にスリリングなバトルを繰り広げた。アドバンテージを得るために両ドライバーはDRSを戦略的に何度か活用したが、最後にはフェルスタッペンに軍配が上がった。