【F1チームの戦い方:小松礼雄コラム第2回】成長を見せたケビンが最高のカムバック。テストで見えたクルマの速さは本物

 2022年シーズンで7年目を迎えたハースF1チームと小松礼雄エンジニアリングディレクター。2回目のプレシーズンテストを前に、ニキータ・マゼピンの後任としてケビン・マグヌッセンがチームに復帰することが決まり、ハースは求めていた経験豊富なベテランドライバーとともにシーズンを戦えることになった。

 迎えた開幕戦では、そのマグヌッセンがトラブルを抱えながらもミスのない走りで予選Q3に進み速さを披露。決勝でも5位入賞を果たし、ハースに2シーズンぶりのポイントをもたらした。昨年シーズンを諦めてクルマの開発に力を注いだことが実を結んだ形だ。そんなバーレーンGPの現場の事情を小松エンジニアがお届けします。

新世代F1マシンでの追い抜きは「テレビで見ているほど簡単ではない」とアロンソ。タイヤに大きく左右されると主張

 アルピーヌのフェルナンド・アロンソは、F1の新レギュレーションによってマシン同士がより近距離で追いかけ合うことができるようになったが、オーバーテイクについてはタイヤが「最大の差別化要因」であると主張している。

 ダウンフォースの生成の大半をグラウンドエフェクトに依存しているF1の新世代のマシンは、先週末のバーレーンで初めて本物の試練を課された。プレシーズンテスト終了後、F1ドライバーの間では、F1の新ルールはマシン後部に発生する乱気流を削減するという第一の目的を達成しており、結果としてコーナーではライバルにさらに近づいて追いかけることができるようになったということで意見が一致し、そのことは先日の日曜日のレースでも確認された。

F1技術解説:第1戦(1)トラブルで全滅のレッドブル。事前のテスト不足で問題点を発見できず?

 2022年F1第1戦バーレーンGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。今回は、優勝候補筆頭と考えられながら全滅したレッドブルRB18のトラブルについて考察する。

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■E10燃料への移行がトラブルに関係か

 冬のテストで最速タイムを記録したレッドブルは、開幕戦の優勝候補筆頭と考えられていた。しかしレース前に示唆されたように、レッドブルマシンの信頼性は完璧でないことが、決勝レースで証明されてしまった。

 端的に言えば、昨年最終戦まで総動員体制でタイトルを追ったレッドブルのタイトすぎるスケジュールが、今回の全滅の伏線なのは間違いないだろう。

【角田裕毅の海外メディア評:F1第1戦】兄弟チーム4人で唯一のポイント獲得を評価「持ち前の資質とタフさを発揮」

 2022年F1第1戦バーレーンGPを、アルファタウリの角田裕毅は予選16番手、決勝8位で終えた。

 トラブルによりFP3を走れなかった角田は、予選Q1で敗退。しかし、決勝レースのスタートで12番手までポジションを挽回すると、その後も好ペースで走行をつづけ、8位でフィニッシュし4ポイントを獲得した。勝負の2年目を初戦からポイントフィニッシュで飾った角田を海外メディアはどう評価したのか、彼らの採点から見ていこう。

新世代F1マシンの初戦となったバーレーンGPでは「マイナス面がまったく見られなかった」とロス・ブラウンが高評価

 F1のスポーツ担当マネージングディレクターを務めるロス・ブラウンによると、F1の新世代デザインのマシンが初レースに臨んだ先週末第1戦バーレーンGPでは、「マイナス面は何も」見あたらず、グランプリレースが以前の“ひどい”マシンから移行したことが証明されたという。

 テクニカルレギュレーションの大幅な変更は、サクヒールで始まった新時代の到来を告げた。レースでは、フィールド全体でいくつか接戦が見られた。そのなかにはレース勝者のシャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の間の壮絶なバトルもあり、F1の新レギュレーションのメリットが明らかになった。

【F1インタビュー】角田のレースペースは「ライバルと遜色なかった」と元ホンダ山本氏が評価。レッドブルは“痛い”結果に

 2022年の開幕戦バーレーンGPでは、マックス・フェルスタッペンとセルジオ・ペレスのマシンにトラブルが発生し、レッドブルは大量得点を逃す結果となった。現場を訪れた元ホンダF1の山本雅史氏は、レッドブルが上位入賞を逃した結果は「痛い」と語る。一方で優勝を果たしたフェラーリは「圧巻」だったといい、8位に入賞した角田裕毅(アルファタウリ)については「金曜日からの流れからすれば十分」と評価した。

Wシリーズチャンピオンのチャドウィック、2022年もウイリアムズ・ドライバー・アカデミーのメンバーに

 ウイリアムズ・レーシングは、2度のWシリーズチャンピオンであるジェイミー・チャドウィックが、同チームのドライバー・アカデミーのメンバーとして残留することを発表した。

 F1に参戦することを目指すチャドウィックは、2019年にウイリアムズの若手ドライバー育成プログラムであるドライバー・アカデミーに加入、グランプリの週末にはグローブの拠点でシミュレーター作業を行ってきた。

【中野信治のF1分析/第1戦】予想以上に大きかったタイヤファクター。回頭性の高いフェラーリと2022年のキーポイント

 新規定元年でマシンの見た目が大きく変わった2022年シーズンのF1。ついに開幕戦を迎え、昨年までとは勢力図もレース展開も大きく変わることになった。日本期待の角田裕毅(アルファタウリ)の2年目の活躍とともに、元F1ドライバーでホンダの若手育成を担当する中野信治氏が独自の視点でレースを振り返ります。

人気F1ドキュメンタリー番組の編集を問題視するノリス「違う場面のコメントが使われている」

 マクラーレンF1のランド・ノリスは、動画配信サービスNetflixの人気シリーズ『Drive to Survive(邦題=Formula 1:栄光のグランプリ)』について、自らの発言が全く別のシーンで使用されるなど、その編集に「やり過ぎ」な部分があると疑問視した。