【F1第2戦無線レビュー(1)】アルピーヌのチームメイト争いが激化。アロンソ「このまま行くのはちょっとクレイジーだ」

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPでは、週末を通してトラブルに悩まされた角田裕毅がスタート前にマシンを降りることになった。一方レースでは、キャリア初のポールポジションを獲得したセルジオ・ペレスが2番手シャルル・ルクレールの逆転を阻止しようとしたピットストップを行った直後にセーフティカーが導入され、ポジションを落とす展開に。サウジアラビアGP前半を無線とともに振り返る

F1技術解説:第2戦(2)レッドブルvsフェラーリ。なぜVSC後に一気に差が縮まったのか

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて解説。第2回では、レース終盤、フェラーリのシャルル・ルクレールがレッドブルのマックス・フェルスタッペンを抑えきれなかった理由について探る。

フェラーリF1「マシン開発の準備は以前に比べはるかに整っている」風洞やプロセス、シミュレーションを改善

 フェラーリのチーム代表を務めるマッティア・ビノットは、今シーズンのF1で必然的に展開される開発競争について、フェラーリは過去に比べて“はるかに準備が整っている”と述べている。

 フェラーリとレッドブルは、開幕から優勝を争い2022年シーズンをスタートした。2チームはバーレーンGPとサウジアラビアGPを支配し、それぞれシャルル・ルクレールとマックス・フェルスタッペンが勝利を飾った。

F1技術解説:第2戦(1)ローダウンフォース仕様でフェラーリに勝利したレッドブル

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPで各チームが走らせたマシンを、F1i.comの技術分野を担当するニコラス・カルペンティエルが観察、印象に残った点などについて解説する。第1回では、激しく優勝を争ったレッドブルとフェラーリの空力設定の違いについて考察する。

────────────────────────────────

 F1サウジアラビアGPで、マックス・フェルスタッペンは、シャルル・ルクレールとの一騎打ちを制した。しかしレースフィニッシュの差は0.549秒、セルジオ・ペレスが初ポールを獲得した予選も2番手ルクレールとはわずか0.025秒差と、レッドブルとフェラーリは超接近戦を繰り広げた。

サウジアラビアGP出場拒否は不可能だったドライバーたち。F1ボス、開催地の基準見直しは約束

 3月25日、F1サウジアラビアGPのFP1セッション中に、ジェッダ・サーキットからわずか9kmしか離れていないアラムコの石油精製プラントがミサイル攻撃を受けた。これに懸念を感じ、F1ドライバー全20人がその日の夜に4時間にわたりミーティングを行ったが、結局は同地にとどまり、レースに出場することを受け入れた。しかし彼らは、F1ボスから、開催地の基準を再検討するという約束を取り付けたという。

F1サウジアラビアGPでのアロンソとオコンによるアルピーヌ内バトルを海外メディアが厳しく批判

 2022年F1第2戦サウジアラビアGPの序盤、アルピーヌの2台は熾烈なチームメイトバトルを繰り広げた。このバトルに対してドライバーたちが好意的なコメントを残した一方で、海外メディアからは批判の声も巻き上がっている。

 アルピーヌのエステバン・オコンとフェルナンド・アロンソが繰り広げた激しいバトルは、サウジアラビアGP序盤のハイライトとなった。2台は5周目のストレートであわやウォールに激突という接近戦を演じると、その後も順位を入れ替えながらの争いを展開。結局このバトルは、チームからオコンに対して「ポジションを維持するように」と無線が飛ぶまで、約10周に渡って続けられた。

マクラーレンF1の2022年型マシンは「単純にダウンフォースが足りない」とノリス。解決には時間が必要

 マクラーレンF1のランド・ノリスがイギリス『Sky Sports』の番組に出演し、マクラーレンの2022年型マシン『MCL36』が抱える問題について説明した。ノリスは、MCL36にはダウンフォースが足りず、改善には時間がかかりそうだとの見方を示している。

 マクラーレンの不振は2022年の開幕戦バーレーンGPにおけるサプライズのひとつとなった。プレシーズンテストでは好調を維持していたマクラーレンだったが、予選でダニエル・リカルドがQ1敗退を喫し、ノリスも続くQ2で姿を消すと、決勝ではまさかのノーポイントで第1戦を終えた。

【動画】2022年F1で各チームが頭を悩ませる『ポーパシング』をSky Sportsが解説

 2022年シーズンのF1で流行語となりつつある『ポーパシング』。各チームが頭を悩ませるこの不思議な現象がなぜ生じるのか、イギリス『Sky Sports』の名物レポーター、テッド・クラヴィッツが動画で解説している。

 2022年のF1で、直線区間でマシンが上下に激しく跳ねる姿を見たことがある人は多いはずだ。『ポーパシング』または『バウンシング』と呼ばれるこの現象は、小型のイルカ(=ポーパス)のようにマシンが跳ねる(=バウンス)ことからそれぞれの呼び名がついた。

F1ラスベガスGPは異例の土曜22時スタート「最高の形でショーを提供するため、柔軟に判断した」とCEO

 F1のCEOステファノ・ドメニカリは、2023年に新たにF1カレンダーに加わるラスベガスGPについて、決勝は土曜夜22時にスタートすると明かし、それが現地の観客とヨーロッパのファンにとってベストな時間帯だったと説明した。

 3月31日、F1は2023年にアメリカでの3つ目のグランプリとして、ラスベガスGPを開催することを発表した。ラスベガスでは1981年と1982年にF1が開催されたが、今回はダウンタウン中心部の6.12km、14ターンのストリートサーキットが使用される。

レッドブル再昇格が叶わなければ、ガスリーは2023年以降にチームを離れる可能性があるとヘルムート・マルコが認める

 レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、レッドブルがピエール・ガスリーにマックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてのシートをオファーしなければ、2023年以降に彼を失うことになるだろうと述べている。

 レッドブルファミリーの長年のメンバーであるガスリーは、2017年末にトロロッソでF1キャリアをスタートし、2019年にはレッドブル・レーシングに昇格した。しかしガスリーはフェルスタッペンと同じレベルのパフォーマンスを発揮するのに苦戦したことから、チームはF1の夏季休暇中に彼をトロロッソのアレクサンダー・アルボンと入れ替えた。