ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表によると、F1第2戦サウジアラビアGPの予選におけるミック・シューマッハーのクラッシュによって、チームに100万ドル(約1億2000万円)もの費用がかかる可能性があるという。
シューマッハーはジェッダでの予選Q2の終盤にターン10でワイドになって縁石に乗り上げ、ほぼフルスピードでバリアにマシン側面から衝突した。シューマッハーは体をひどく打ったが、比較的無傷でマシンから脱出した。
VF-22の損傷具合から、ハースはシューマッハーに日曜日のレースを欠場させなければならなかった。この決定が下された理由は、主にチームのスペアパーツの在庫が少ないことにあった。ジェッダでのレースデーにさらなるダメージが発生した場合、次戦オーストラリアGPに参戦できなくなるリスクがあったのだ。
シューマッハーのマシンについてのチームの最初の調査で明らかになったのは、クラッシュの影響を免れたのはエンジンとシャシータブだけで、ほぼすべてのコンポーネントの交換が必要だということだった。
「シャシー自体は壊れてはいないようだ」とシュタイナーは語った。「側面の基礎構造は壊れたが、それは交換できる」
「シャシーについて適切な調査を行う必要はもちろんあるが、正直なところそれほど悪くはないようだ」
「フェラーリから言われたが、エンジンも大丈夫そうだ。バッテリーパックも同様だ。だがその他のものはすべて壊れている!」
シュタイナーは、全体として損害のコストは100万ドル(約1億2000万円)にも及ぶ可能性があると考えていた。
「費用はかなり高くなるだろう。左フロントを除いてすべてのサスペンションがだめになったからだ」
「まだ残っているものはあると思う。その他のものはカーボンの粉になってしまった」
「金額については分からないが、ギヤボックスとボディワーク全体、ラジエーターがなくなったのだから、50万ドル(約6000万円)から100万ドルの間だろうと思う」
F1チームの年間予算は今シーズンは1億4000万ドル(約171億円)に制限されており、通常はクラッシュによるダメージへの支出に関連する項目が含まれている。シューマッハーの事故は、幸いハースの予算に最小限の影響しか与えることはないだろうが、損傷が繰り返されると必然的にチームの財政は打撃を受けることになる。
「この名目の予算額はある。だがレーシングチームでは、通常のビジネスのように予算を守ることはできない。なぜならこうしたリスクがあるからだ」
「当然ながら不測の事態が起きるのだ。だが2度や3度こういうことが起きたら、緊急時のための予算はすぐになくなってしまうだろう」
「これは損失だ。だからなんとかする必要がある。言うまでもなく、このようなことがさらに起きないことを願っている」