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 F1第2戦サウジアラビアGPでは、マシントラブルに見舞われたアルファタウリF1角田裕毅が決勝出走を断念。レース展開を味方につけたディフェンディングチャンピオン、レッドブルF1マックス・フェルスタッペンが、開幕戦から引き続き好調のフェラーリ勢を下し、今季初勝利を飾った。サーキット近郊の石油施設が隣国イエメンの反政府武装組織フーシ派の攻撃を受け、緊迫した空気のなかでの開催となったジェッダ・ストリート・サーキットの週末をドライバー、関係者のSNSで振り返る。

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フェルスタッペンが今季初優勝。カーナンバー1のマシンが優勝したのは2013年最終戦ブラジルGPのセバスチャン・ベッテル(レッドブル・ルノー)以来のこと。そしてホンダの意志を継ぐレッドブル・パワートレインズのPUにとっても、これがF1初勝利となった。

今回の勝利でフェルスタッペンは2016年から7シーズン連続で優勝をマーク。この記録を今後何年更新していくことができるだろうか?

F1通算21勝目、歴代15位タイ。昨年限りで引退したキミ・ライコネンに並んだ。

残り数周、アレクサンダー・アルボンのクラッシュで1コーナーに出された黄旗により、フェラーリF1シャルル・ルクレールの再逆転の機会は失われてしまったが、本人たちも満足の内容。チェッカー直後にお互いの健闘を称え合うハイレベルな好勝負が見られた。

子どものころからカートで戦ってきた世代がついに世界の頂点を争うときがきた。まだ2戦しか終了していないが、今季のチャンピオンシップはこの2人を中心に動いていきそうだ。

互いに次のストレートでDRSを使われることを嫌いトップを譲り合う43周目のルクレールとフェルスタッペン。純粋な速さを競うレースという観点から見れば、ちょっと釈然としない部分も残る。現行ルールが生んだ妙な光景だが、ゴールの瞬間にライバルの前に出るための駆け引きとしては仕方がないところだ。

■F1界にすっかり溶け込んだ角田裕毅

動画の37秒あたりから……履いていたスニーカーを「かっこいいシューズだなユーキ。スタイリッシュだ」とルクレールに褒められた角田は、「10㎝はあるよ(靴のおかげで背が高くなってる)」と笑いを誘う。一方、セルジオ・ペレスは「ユーキのシューズはお気に召さない?」との質問に「あれはちょっと僕のスタイルじゃないね」と苦笑。フェルスタッペンは無表情のままひとこと「LOVELY(かわいいね)」。2年目ですっかりF1の世界に馴染んだ“ユーキ”は、トップドライバーたちからイジられる愛されキャラなのがよくわかる。

ジョージ・ラッセルが5位。そして、まさかの予選Q1敗退となったルイス・ハミルトンがなんとか10位入賞。メルセデスF1は、ここからの巻き返しを誓う。

ミハエル・シューマッハーがフェラーリで戦ったレース数を上回り、ハミルトンとメルセデスのペアがF1史上最多出走の記録を塗り替えた。

予選で大クラッシュを喫したハースF1のミック・シューマッハー。大事をとって決勝には出場しなかったが、日曜日のドライバーズパレードにには元気な姿を見せた。ケガがなくてなにより。

■アロンソとオコン、今のところは問題なし?

開幕戦はショッキングなマシン炎上で今季のリタイア第一号となってしまったアルファタウリF1ピエール・ガスリー。今回はレース終盤、激しい胃痛に襲われ悲鳴を上げそうになりながらも、なんとか8位フィニッシュで今季初入賞を果たした。

6位フィニッシュのアルピーヌF1エステバン・オコンは、チームメイトのフェルナンド・アロンソにもかなり厳しめのブロックを連発。アロンソが「フェアな争いだった」と言っているので、とりあえず問題はなさそうだが……。

キャリア215戦目でF1最遅のポールポジション獲得記録を更新したレッドブルF1セルジオ・ペレス。スタートから順調にトップ快走もフェラーリの無線に反応し、ピットインした直後セーフティーカーが出動。不運なタイミングで表彰台まで失ってしまった。

開幕前、次のF1ウイナーはメルセデスF1に移籍したラッセルが最有力かと思われていたが、今のフェラーリの勢いを見ているとカルロス・サインツが先になる可能性が高そうだ。

予選も走れず、スターティンググッドに向かうレコノサンスラップで再びマシンに異変が起こりストップした角田。開幕戦の入賞で期待が高まっていただけに深夜の中継を楽しみにしていた日本のファンの落胆も大きかった。