レッドブルにとっては悪夢のような結末となった第1戦バーレーンGPだった。
マックス・フェルスタッペンが2番手、セルジオ・ペレスが4番手からスタートした決勝レースは、フェルスタッペンがポジションを維持。ペレスはスタートで出遅れて一時6番手に下がったものの、その後、ケビン・マグヌッセン(ハース)とルイス・ハミルトン(メルセデス)を抜いて、10周目から再び4番手に戻り、2台そろって上位を走行していた。
しかし、この日のフェラーリはトップを走るシャルル・ルクレールも、3番手のカルロス・サインツもレッドブル勢を上回る安定した走行を披露。レースはそのまま終了するかに思われた終盤に悪夢が待っていた。ピエール・ガスリー(アルファタウリ)のリタイアによってセーフティカーが出動した後に再開されたレースで、フェルスタッペンが54周目に失速。スローダウンしながらピットインしたフェルスタッペンはそのままレースを終えた。
これで3番手に浮上したペレスだが、ファイナルラップとなる57周目の1コーナーでスピンを喫してコース上でストップした。
レース後、ミックスゾーンにやってきたフェルスタッペンはこう語った。
「燃料システムに問題が起きたようだ」
つまり、燃料タンクからパワーユニットへ行くはずの燃料が何らかの原因で正常に送り込まれず、失速したのだった。
その直後にミックスゾーンに来たペレスはこう話す。
「数周前から、パワーを失っていると感じていた。マックスに何が起こったのかを知っていたから心配していたけど、最後はエンジンが止まってしまった」
つまり、ペレスのスピンはミスではなく、エンジンが止まったことによるリヤのロックが原因だった。
チーム関係者によれば、回収された2台のレッドブルのマシンの燃料タンクには数kgのガソリンが残っていたというからガス欠ではなく、燃料タンクとパワーユニットを結ぶラインになんらかの問題が起きていたようだ。
フェルスタッペンはレース終盤にステアリングに違和感があると無線で訴えていたが、これは燃焼システムの問題とは関係はなく、ピットストップ中のジャッキによって引き起こされた可能性のあるようだ。
2位と4位で得るはずだった30点を失ったのは痛いが、大きくレギュレーションが変わった2022年も、引き続き優勝争いができるポテンシャルがあることは確認できた。ただし、その最大のライバルは昨年までのメルセデスから、今年はフェラーリに変わったことは、間違いないようだ。