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 3月20日、MotoGP第2戦インドネシアGPの決勝レースがプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・ストリート・サーキットで行われた。同サーキットで初開催となったMotoGPは周回数が短縮され、さらに豪雨によりスタートディレイ。こうして始まったウエットコンディションのレースで、ミゲール・オリベイラ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が優勝を飾った。

 Moto2クラスの決勝レースをドライコンディションで終えたのち、マンダリカには激しい雨が降り始めた。このためMotoGPクラスの決勝レースはスタートディレイとなり、当初の予定から1時間15分遅れの現地時間の16時15分に決勝レースがスタートすることになった。Moto3クラスの決勝レース後に気温の高さによる安全性を理由として、Moto2クラスとMotoGPクラスの決勝レースの周回数が変更され、MotoGPクラスは予定されていた27周から20周に短縮された。

 また、午前中のウォームアップセッションで終盤にハイサイドによる激しい転倒を喫したマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は、脳震盪により決勝レースを欠場している。

 こうして始まった決勝レースは、気温25度、路面温度29度、コンディションはフルウエットである。ホールショットを奪ったのはポールポジションスタートのファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)。2番手に7番手スタートのオリベイラ、3番手に9番手スタートのジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)が続く。フロントロウスタートだったホルヘ・マルティン(プラマック・レーシング)とヨハン・ザルコ(プラマック・レーシング)は5番手、6番手に後退した。

 2周目に入ったメインストレートで、オリベイラ、1コーナーでミラーがクアルタラロをオーバーテイク。さらにミラーがオリベイラをかわし、トップがミラー、オリベイラが2番手、クアルタラロが3番手に順位を入れ替えた。クアルタラロはトップ2から引き離されていき、4番手のアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)、5番手のザルコが背後に迫る。4周目、クアルタラロはリンスとザルコにメインストレートでかわされ、5番手に後退した。

 一方、ミラーとオリベイラによって争われていたトップは、5周目にオリベイラが12コーナーでミラーをパスして再びレースリーダーとなる。この周、オリベイラはファステストラップを叩き出すと、ミラーとの差を広げ始める。その差は7周目に1秒以上、9周目には2秒以上になった。

 トップを走るオリベイラが9周目にこのレースで初めて1分40秒を切り、全体としてもほぼ周回ごとにタイムが更新されていったが、同時に路面状況によってマシンを振られるシーンも見られた。また、マルティンは8周目の1コーナーで転倒。マルティンは開幕戦に続き、フロントロウからのスタートを切るも、2戦連続でのリタイアとなった。

 11周目、12コーナーでザルコがリンスをかわして3番手に浮上する。トップを走るオリベイラ、2番手のミラーはそれぞれ単独走行で、ザルコの前を走るミラーとの差は約1秒という状況だったが、ザルコは次第にミラーとの差を詰めていった。14周目にはその差は0.5秒を切るまでになり、ザルコがミラーの背に迫る。

 さらに、その後方ではクアルタラロが再びポジションを回復していた。クアルタラロはザルコにかわされたリンスを13周目にパス。ペースの上がらないミラーをテール・トゥ・ノーズで追いかけていたザルコに追いついた。2番手争いはミラー、ザルコ、クアルタラロのワンパックとなり、16周目にクアルタラロがザルコ、ミラーをとらえて2番手に浮上した。

 クアルタラロとトップを走るオリベイラとの差は4秒。クアルタラロは17周目にファステストラップを叩き出し、オリベイラを追いかける。残り2周、その差は3秒を切った。

 しかしオリベイラは最後までアドバンテージをキープし、トップでフィニッシュ。2021年第7戦カタルーニャGP以来となる優勝を飾った。クアルタラロはオリベイラには届かなかったものの、一時後退したところから猛追し、ポジションを回復して2位でチェッカー。3位は終盤にミラーと表彰台争いを展開し、これを制したザルコだった。

 4位はミラー、リンスは5位、ミルが6位でレースを終えている。最後尾24番グリッドからのスタートとなった中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は19位でレースを終えた。