ホンダがF1の表舞台から姿を消した2022年。しかし、ホンダはE10燃料に対応したパワーユニットの開発を、ホモロゲーションが実施される3月1日まで続け、レッドブルに引き渡した。これに合わせて、イギリス・ミルトンキーンズに構えていたHRD UKを閉じ、ホンダのスタッフはレッドブル・パワートレインズへ移籍した。
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ただし、全員が移籍したわけではない。ホンダの社員の数名は帰国。そのなかに、昨年までテクニカルディレクターを務めていた田辺豊治がいる。代わって現場のまとめ役を務めることとなったのは、その田辺と第3期時代から苦楽を共にした本橋正充だ。副テクニカルディレクターとして田辺を支えてきた本橋は、引き続きアルファタウリのチーフエンジニアも兼務する。
レッドブル側でチーフエンジニアを務めてきたデビッド・ジョージの姿も今年はない。今後、このポジションには、昨年メルセデスからヘッドハンティングして、現在ガーデニング休暇中のスタッフが就くことになっているという。それまでの数戦は、ホンダのスタッフとレッドブルのチーフエンジニアを務めるポール・モナハンが協力して、その穴を埋めるようだ。
ホンダが開発した2022年型のパワーユニットの知的財産権はホンダが有したまま、レッドブル・パワートレインズにその使用を許諾し、運営していくことになる。3月18日にFIAが発表したエントリーリストからはホンダの名前が消え、昨年まで『レッドブル・レーシング・ホンダ』という名前で登録されていたコンストラクター欄には、『レッドブル・RBPT(レッドブル・パワートレインズ)』という名前が記されてあった。
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「確かに『HONDA』という名前は姿を消したかもしれないが、彼らが開発したパワーユニットを走らせることには変わりはない。だから、僕は今年もホンダと共にレースを戦うという意味では、僕たちの関係に変わりはない。むしろ、ホンダがレッドブルに加わったことで、関係はより強固になったと思っている。僕はこのプロジェクトを信じているし、チームの全員と一緒に仕事をすることを楽しんでいる」
FIAの記者会見で筆者が尋ねたホンダとの関係についての質問に、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)はそう答えた。
2022年3月18日、ホンダとレッドブルの新しい関係が幕を開けたこの日、フェルスタッペンはトップタイムを刻んで、その第一歩を力強く踏み出した。
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