4月21~24日に開催されるWRC世界ラリー選手権第3戦クロアチアは、モンテカルロのような氷結路を含まない完全なアスファルト路面で行われる今季最初のターマック(舗装路)ラリーだ。マニュファクチャラータイトル奪還を目指すヒュンダイ・シェル・モビスWRTは、同地でのラリーがヒュンダイi20 Nラリー1にとって重要なテストになると考えている。
ヒュンダイ・モータースポーツのラリーチームは、1月のフレンチアルプスに間に合うように3台のまったく新しいハイブリッド・ワークスカーを用意したばかりだったことと、開幕戦に先立って行われたターマックテストでティエリー・ヌービルが大きなクラッシュを喫したことを認めている。
クロアチアの首都ザグレブを舞台にした今季第3戦は、ヒュンダイ・モータースポーツが1月のモンテカルロからどれだけ前進できたかを明確に示すものとなる。
「ターマックは間違いなく僕たちのウイークポイントだった」と語るのは、2019年王者のタナク。
「テストに関する規制があるため、あまり多くの開発を行うことができない。基本的に3人のドライバーにつき1日ずつしか割り当てられていないんだ」
「この3日間を有効に活用し、有益なテスト時間を作らなければならない。ワークショップのみんなは本当に一生懸命働いていて、前にも言ったように僕はこのクルマには大きな可能性を感じている」
タナクはオールターマックで争われるクロアチア・ラリーが、エストニア人ドライバーにとって悲惨なシーズンの幕開けから運命を変えてくれることを期待している。
そんな彼のチームメイトであるヌービルは、スウェーデンで開催された第2戦を総合2位でフィニッシュ。ヒュンダイi20 Nラリー1のペースとポテンシャルを示した。
ヒュンダイのダブルエースの一角は、ラリー・スウェーデンで2位となったことを喜びつつも、ターマックでのクルマのパフォーマンスには「まだ課題が残っている」というタナクの主張に同調した。
ヌービルは、「チームの全員がターマックでの改善に全力で取り組んでいることは知っている」と述べた。
「いまのところ僕たちが望んでいる場所にいないことは分かっているが、我々はそれをうまくやり、競争力を持つことができると確信している」
「スウェーデンは良かった。とくに金曜日はね。2日目と3日目はマシンのバランスと自信を欠いてしまったが、それでもチームのためにポイントを持ち帰ることができたのはよかったよ」