Mスポーツ・フォードWRTからWRC世界ラリー選手権の最高峰クラスに参戦しているアドリアン・フルモーは、開幕2戦をともにリタイアで終える厳しいシーズンのスタートを切ったが、4月21~24日に開催される第3戦クロアチアを前に自信を取り戻しつつある。
Mスポーツ・フォード期待の若手フランス人ドライバーは、開幕戦モンテカルロで大クラッシュを喫してリタイア。第2戦スウェーデンでは、フォード・プーマ・ラリー1にエンジントラブルが発生したため、こちらもリタイアとなった。
ノーポイントでクロアチアの首都ザグレブで行われるターマック(舗装路)ラリーに赴くフルモーは、この開幕2戦で貴重な教訓を得たという。
「スウェーデンではハッピーだったよ」と彼はWRC公式サイト『WRC.com』に語った。
「(第2戦スウェーデンは)モンテの後に必要なラリーだった。モンテでの大クラッシュは辛かったが、それは僕にラリーの全体像を見ることを教えてくれた。とくに3つめステージでは、あそこまでプッシュする必要はなかったんだ」
「あのときは自分にプレッシャーをかけすぎたのかもしれない。これはホームラウンドのようなもので『結果を出さなければならない』と自分に言い聞かせていた」
「周りのドライバーのことをあまり考えないようにして、自分がやることだけに集中していた。けれど、それは大きな間違いだったんだ」
モンテカルロの約ひと月後にシーズン唯一のフルスノーラリーであるラリー・スウェーデンが開催されたが、フルモーはこの間にモンテカルロのクラッシュを忘れる機会はほとんどなかったという。
「スウェーデンでのスタート時はまだストレスを感じていた」とフルモー。
「いくつかの高速セクションではあまりハッピーではなく、緊張していたんだ。その後、少しリラックスして走れるようになるとタイムが出るようになり、すべてがうまくいくようになった」
「ノーポイントのままクロアチアまで来てしまったのは辛いが、モータースポーツは時としてこういうこともある。僕は頭を上げて、起きてしまったことからポジティブな部分を今後に活かしていくつもりだ」
「モンテの後、僕は自分のドライビングに自信を取り戻す必要があり、スウェーデンではそれを実行したんだ」
フルモーが臨む次戦クロアチアは昨シーズン、彼がフォード・フィエスタWRCで世界選手権にデビューした思い出の地だ。26歳のフランス人は同ラウンドで、これまでの最高位である総合5位入賞を果たしているだけに、今季初ポイントの獲得が期待される。