マクラーレンF1のランド・ノリスは、動画配信サービスNetflixの人気シリーズ『Drive to Survive(邦題=Formula 1:栄光のグランプリ)』について、自らの発言が全く別のシーンで使用されるなど、その編集に「やり過ぎ」な部分があると疑問視した。
2019年のシーズン1公開以来、世界規模での成功を収める『Formula 1:栄光のグランプリ』。Netflixが公開しているデータによると、同シリーズは3月11日のシーズン4公開後、世界50カ国でTVシリーズ部門のランキングトップ10に入った。さらに、3月7~13日の一週間における累計再生時間は述べ2801万時間に達し、週半ばでの配信開始という不利な条件にも関わらず、その週に世界で5番目に試聴されたTVシリーズとなった。
しかし、ドライバーやチーム関係者の人間ドラマに重点を置いた番組の構成上、このシリーズが現実をよりドラマチックに見せるために過剰な演出を施しているという声も関係者から上がっており、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は昨年、同シリーズへの出演拒否を表明している。
イギリス紙『Independent』などによると、マクラーレンのランド・ノリスも『Formula 1:栄光のグランプリ』について、作中に「違う場面からとられたコメントがいくつかある」と指摘し、編集によって自らの発言が本来の文脈から離れた場所で使用されていることを問題視した。
ノリスがその例として挙げているのは、シーズン4の第2話。ノリスとダニエル・リカルドというマクラーレンのチームメイト関係にスポットライトが当てられたこのエピソードでは、2021年の開幕戦バーレーンGPのターン1において、リカルドのオーバーテイクに失敗したノリスが「妨害された」と無線で語るシーンがある。
しかし、ノリスによるとこの無線は「全く別のレースから取られたもの」だという。確かに問題のシーンではリカルドとノリスの間に十分なスペースがあり、「妨害された」という表現とは食い違って見える。
ノリスはこうした過剰な演出について「自分がその当事者である場合、あまり同意できない」と語ったものの、シリーズそのものについては好意的なコメントを残した。
「ちょっとやり過ぎている部分があるかもしれないし、あまり賛成できないところもあるけれど、全体としてはみんなにとってエキサイティングでいい作品だとは思うよ」