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 ついに開幕した2022年シーズンは、フェラーリが3年ぶりの勝利を1-2フィニッシュで飾った。昨年、あれだけ激しいタイトル争いを繰り広げたレッドブルとメルセデスが苦戦するなか、つい数日前まではここにいるはずではなかったハースF1のケビン・マグヌッセンが大活躍。波乱含みの開幕戦バーレーンGPの模様をドライバー、チーム関係者のSNSで振り返る。

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新時代F1の幕開けはフェラーリのシャルル・ルクレールが制した。ウインターテストから速さを見せていたが、その実力は本物だった。


2019年以来の1-2フィニッシュを飾ったフェラーリ陣営。今シーズンは過去数年とは違った展開になりそうだ。

レース直後、興奮冷めやらぬハースF1の投稿。一昨年の末に一度は袂を分かったマグヌッセンを呼び戻し、昨シーズンはほとんど最下位争いしかしていなかったチームが5位入賞の大躍進を果たした。

「マグヌッセンと複数年契約」の一報を聞いたとき、「なぜ?」と疑問に思った人も少なからずいたのではないかと思うが、チームの判断が間違いでなかったことがたった一戦で証明された。本人ですら終わったと思っていたマグヌッセンのF1人生が、いま再び動き始めた。

1歳になった愛娘ローラちゃんは早くもパパの職場体験。マグヌッセン家に3代目のF1ドライバー誕生か?

いつもは強面のギュンター・シュタイナー代表も満面の笑み。

■ライバルにリスペクトを示す王者たち

スタート直後にアルピーヌF1のエステバン・オコンにヒットされ順位を落としてしまったミック・シューマッハー。入賞目前の11位フィニッシュでF1初ポイントはおあずけとなった。チームは上昇気流、この流れに乗り遅れるわけにはいかない。

レース後、パルクフェルメにマシンを停めると、すぐさまミックに謝罪に行くオコンの姿をオンボードカメラが捉えていた。

チームは明らかに「ドヤ顔」の写真をチョイス。マシントラブルによりFP3の走行機会を失い、予選はQ1敗退となったが、レッドブル・パワートレインズ勢では唯一の完走。2年連続で開幕戦ポイントゲットを果たした角田裕毅は頼もしさを増していた。

過去数年のトップランナーからすれば、絶望的な戦闘力のなさを露呈したメルセデスF1だったが、終わってみれば3位表彰台のルイス・ハミルトン。これが通算183回目のポディウム登壇となった。

時に相手の存在を疎ましく思うこともあるだろうが、それは互いの実力を認め合っているからこそ。セナプロ時代からのF1ファンは、こうした何気ない王者同士のやり取りを見ると、なぜだか少し安堵する。

インタビュー中でもお構いなしに開幕戦ウイナーへの祝福。今回リタイアに終わったカーナンバー1のディフェンディングチャンピオンは、必ず巻き返してくるはずだ。

■デビュー戦入賞達成で感極まる周冠宇

まさかのダブルリタイアを喫したレッドブルF1。第2戦は今週末、トラブルの原因は早期に究明できるのだろうか?

反戦を願うウクライナカラーのヘルメットで臨んだアルファタウリF1ピエール・ガスリーだったが、マシン後部から激しく出火し、不名誉な今シーズンのリタイア第一号となってしまった。

中国人初のフルタイムF1ドライバー、周冠宇はデビュー戦で10位初入賞の快挙を成し遂げた。ヘルメット越しでも感涙にむせぶ姿が感動的。F2時代に戦ったミック・シューマッハーや角田裕毅は一年早くF1デビューを果したが、最高峰の舞台で再び相まみえる。

アルファロメオF1はチームに新加入したバルテリ・ボッタスが6位、周冠宇が10位のダブル入賞。幸先のいい開幕戦となった。

セバスチャン・ベッテルが開幕直前に新型コロナウイルス感染症の検査で陽性に。急きょ代役に起用されたニコ・ヒュルケンベルグは、十分すぎるほどの働きをした。ベッテルが今週末のサウジアラビアGPに出場できない場合には、再び出番がまわってくる。

ウイリアムズF1のニコラス・ラティフィとアレクサンダー・アルボンは砂浜でお城づくり。楽しい気分転換で第2戦への英気を養う。

開幕戦は予想外の絶不調で厳しい週末となったマクラーレンF1のダニエル・リカルドとランド・ノリス。チームワークで巻き返しを誓う。

存命ならば3月21日で62歳。還暦を過ぎた2022年のアイルトン・セナは何をしていただろうか?