小糸製作所は昨年1月、「トラック用オールLEDリアコンビネーションランプ」シリーズの新型「流鏑馬(YABUSAME)」を発売した。
新型は、従来の3連タイプのデザインの「継承と進化」をコンセプトに開発されたもの。トレードマークのL字型レンズを継承しながら、さまざまな新技術を採り入れてデザインにも機能にも磨きをかけており注目だ。
文・写真/トラックマガジン「フルロード」編集部
※2020年12月10日発売「フルロード」第39号より
奥行き感と立体感を演出する新デザイン
小糸製作所の「トラック用オールLEDリアコンビネーションランプ」シリーズは、2013年に初代の3連タイプが登場。その後、2連タイプ、歌舞伎デザインなど年々ラインナップを拡充させてきた。シリーズ累計販売台数は10万台に迫るという。
これだけ長く販売されていると、ユーザーから「ほかのデザインがほしい」という声が出てくるのも当然。新型は、こうしたユーザーの声に応えて開発されたもの。コンセプトは初代の3連タイプの「デザインの継承と進化」だ。
新型のデザインは、初代の3連タイプのトレードマークのL字型テールランプを継承。これを重ね合わせて配置する新デザインで、奥行きと立体感を演出している。なお、レンズを重ね合わせる技術は一部高級乗用車に採用されているもので、トラック用としての採用は国内初(同社調べ)だ。
下段の太いテールランプは、L字型レンズを上下に2つくっつけたY字型の新デザインを採用。モチーフはダイナミックな矢と残像で、製品名の「流鏑馬(YABUSAME)」も日本伝統の弓馬術にちなんで名付けられたものとなっている。
国内初のシームレステール&ターンとは?
Y字型テールランプ部には、国内初となるシームレステール&ターンを採用。これはレンズ内の4枚のLEDモジュールにより継ぎ目のないシームレスな発光を実現するもので、通常走行時はテールランプだが、ウインカーやハザード操作時は自動でターンシグナルに切り替わるというものだ。
なお、ターンシグナルはシーケンシャル(流れるウインカー)のみの設定。急ブレーキ時に後続車の追突を抑制する緊急制動灯(ESS)の作動時のみ、通常点灯となる。
機能面や安全面も大幅に進化した。まずストップランプは、従来同様のドット発光を採用しつつ、厚肉レンズ内に合計30灯のLEDを配すことで、従来同等以上の明るさを実現。それと同時に、後続車に対して眩惑を与えすぎないよう配光も最適化。
このほか、ストップランプに連動してテールランプの明るさがプラスされる新機能も搭載されている。
さらに明るく進化したバックランプ
従来製品で「バック走行時に後ろが見やすい」と好評だったバックランプは、LEDを従来の4灯から5灯に増やして従来比120%の明るさを実現。実際に真っ暗な倉庫内でバックランプを点灯してみたが、従来よりワイドな照射範囲となっており視認性の向上が実感できた。
ちなみに従来の3連タイプ、2連タイプはボディがポリカーボネート、レンズがアクリルだったが、新型はボディとレンズの双方にポリカーボネートを採用。割れに対する衝撃強度は従来比50倍にアップしているという。
なお、同社の「トラック用オールLEDリアコンビネーションランプ」シリーズは、純正のリアコンビネーションランプと同等の寸法により、取付互換性があったのがポイントだった。新型はLEDモジュールの放熱用にファンを内蔵する関係で奥行きが若干深いものの、取付互換性を確保しているという。
取付可能な車種は日野自動車、いすゞ自動車、UDトラックスのトラック。三菱ふそうのトラックのみ、車両システムの関係で取付不可となるため注意が必要だ。
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