開幕戦の直前に行われたバーレーンでの合同テストを総合7番手で締め括った角田裕毅(アルファタウリ)。デビューイヤーの昨年は、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)に次ぐ2番手だったことを考えると、少し物足りない感じがしないわけでもないが、本人は冷静だ。
「そうですね。ミスがあって(望んでいたタイムを刻めなかったことは)残念ですが、いい経験になりました。あれで、どれくらいプッシュすべきかがわかったので、全然大丈夫です(笑)」
もちろん、少しでも速いタイムを刻んで、上位にいることに越したことはないが、テストはあくまでテスト。タイムよりも大切なことは、何をしたのかだ。
「ロングランもできたし、パフォーマンスランも経験できたので。クルマに慣れるための時間はある程度、作れたと思います」
今年のテストで話題となった『ポーパシング』については、こう語る。
「ポーパシングはどのチームも抱えている問題で、バーレーンのテストでも完全に解消できたチームはなかったと思います。だから、ポーパシングについてはこの新しいレギュレーションで作られたクルマの特性だと思って付き合っていくしかないと、いまはあまりそのことを気にはしていません。むしろ、パフォーマンスを上げることに集中していて、そのためにポーパシングが出るのであれば、仕方ないと思うようにしています。大切なことは自分たちが持っているパッケージのなかで一番いいクルマを作ることです。もちろん、バウンシングによって、クルマのパーツの耐久性に影響が出てくると思いますが、それをギリギリでもクリアできれば、ポーパシングが出ても仕方ないと思っています」
初日のフリー走行1回目で9番手につけた角田だったが、2回目は14番手に沈んだ。
「走り始めはよかったです。フリー走行1回目は比較的いい順位で終了したのですが、2回目のフリー走行が始まると、僕たちは少し混乱してしまいました。特に1発のタイムで、トップグループと大きな差ができてしまいました。ロングランも決していい感じではなかったので、その辺をしっかりと見つめ直して、土曜日に備えたい。あとコンマ数秒は速く走れると思います。トップとの差が大きいので、コンマ数秒改善しても追いつけないですが、中団グループは接近しているので、コンマ数秒が大切になってきますから」
そして、続けた。
「僕としてはそんなに悪くない1日だったと思います」
そこには、タイムではわからない2年目の余裕が感じられた。