もっと詳しく

 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)、カルロス・サインツ(フェラーリ)など、現役F1ドライバーのなかにも自身のYouTubeチャンネルを持つものは多い。しかし、ランド・ノリス(マクラーレン)ほどにそれを活用できているドライバーはいないかもしれない。自身のチャンネルでバルセロナテストの舞台裏を公開したノリスは、動画内でいつも以上にプライベート感あふれる姿を披露した。

 2022年のF1プレシーズンテスト第1回となるバルセロナテストの初日。まだ日が明けきる前にバルセロナ-カタロニア・サーキットに現れたノリスは、眠そうに目をこすりながらも、「マシンの感覚はぜんぜん違うだろうし、かなり楽しくなりそうだね」とテストに対する期待感を見せる。

 マクラーレンは前日に同サーキットで2022年型マシン『MCL36』のシェイクダウンを行っているが、本格的な走行はこの日が初めて。テストが始まると、ノリスはピットインとピットアウトを繰り返しながら、チームメイトのダニエル・リカルドやエンジニアたちにマシンの印象をフィードバックしていく。

 午前の走行を終え、ノリスはピットウォール付近で「足が若干痛い」と笑いながら、テストには好感触を抱いていると語る。リラックスした様子の彼は、さらにカメラに向かって「いい感じに舞台裏が撮れているんじゃない?」と続ける。

 実はこの日、Netflixの人気ドキュメンタリー『Formula 1:栄光のグランプリ』の撮影クルーもサーキットを訪れていた。しかしノリスは、本人の言葉を借りれば「スクリーン越しでない」、よりプライベートに近い『素』の自分をこの動画で見せたかったようだ。彼は走行中のレッドブルのマシンを指差し、さらに続ける。

「僕があんなことをやってるって信じられる? 僕は普通の人間にしかみえないでしょ?」

「でも一度コースに出たら、あんな宇宙船をドライブするんだ」

 午後も順調にテストスケジュールを消化し、ノリスは全体ベストタイムでこの日を終えた。ただし、サーキットを後にする彼は、そのせいで過度な期待が寄せられると若干不満ぎみの様子。「チャンピオンシップを獲れるサインかも知れないね」と少し芝居がかった口調で語ると、すぐに「間違ってもそんなことは言えないよ」とおどけてみせた。

 動画のラストでは、自らのクルマを取り囲むファンに笑顔でサービスするなど、スターらしいところも見せたノリス。しかし、それ以上にこの動画で際立ったのは、22歳の普通の青年としての彼の姿だった。

■Today is where it all starts

ランド・ノリス(マクラーレン)
2022年F1バルセロナテスト3日目 ランド・ノリス(マクラーレン)