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新年度から年金支給額が、現役世代の賃金減少を理由に0.4%減少することから、自民・公明両党の政策責任者が15日、政府に対し、年金受給者への臨時給付金を配るように申し入れたことに、ネットを使う現役世代が猛反発している。この日夕方に臨時給付金の申し入れがあった直後から、ツイッターなどで疑問や怒りの声が続出した。給付額は5000円で検討されている。

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経済学者の飯田泰之明治大学准教授は「もう何を言っているのかわからない.一人5000円と聞いてさらに何が何だかわからない」と呆れ顔。

元厚労省官僚のユーチューバーおもち氏も「年金額が下がったのは、保険料を納める現役世代の賃金が減ったからです」と振り返った上で「年金額に直接テコ入れするのではなくて、現役世代の賃金が上がる施策や、その結果として年金額も上がるような仕組みにしないと、根本的な解決にならないと思います。選挙前のバラマキ施策には反対です」と苦言を呈した。

衆院での当初予算案採決に野党として異例の賛成に回った国民民主党も、この与党側の動きには違和感を拭えない様子。玉木代表は「低所得年金者が月最大5000円もらえる「年金生活者支援給付金」との関係をどう整理するんだろう」と首を傾げ、「唐突感が否めない。補正予算が前提なのか?賃金上昇の恩恵を受けられない現役世代も多いのだから高齢者に5000円配るなら若い人にも配らないとおかしい」と、世代間格差の問題を指摘した。

玉木氏が「唐突」と評する給付金構想が浮上する背景として、ネット民の多くが夏の参院選対策を思い浮かべている。

選挙前の露骨なバラマキ政策は不快

ここまで露骨だと笑うしかない。

素直に「票田に配慮しました! 参院選はよろしくお願いします!」って言えよ。

などと反発の声が続出。中にはウクライナでの怪しい発信を続けるロシアを引き合いに

ロシア外相の発言かと思うくらい理解できない

と皮肉るコメントも見られた。この日のツイッターは大荒れで、まさに「シルバー・デモクラシーの極致」(文筆家・御田寺圭氏ツイート)を感じさせたが、昨年秋の衆院選で、維新やれいわが党勢を拡大させた背景に有権者の世代交代の萌芽を指摘する向きも少なくなかった。今回の給付金構想の実現した場合、報道各社の世論調査で政党別支持率では、自民の「一人勝ち」が続いてきた中で選挙情勢に何らかの影響をもたらすのだろうか。