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フランスのマクロン大統領が最近、パーカーなどをカジュアルな服装を着用した姿を披露。Tシャツ姿で防衛戦争の陣頭指揮を取るウクライナのゼレンスキー大統領を明らかに意識した様子に、欧米の報道関係者や政治ウォッチャーの間で「ゼレンスキーのコスプレ」などと話題になっている。

パーカー姿が話題のマクロン氏(インスタグラム@soazigdelamoissonniere)

マクロン氏といえば公の場では、痩身をスーツでパリッと決めた姿しかほとんど披露してこなかったが、2017年、史上最年少の39歳で大統領に就任した際は、350ユーロ(約45,000円)相当の庶民的なスーツを着用したことが欧米メディアの話題になるなど、イメージ戦略にも長けていることで知られる。

そのマクロン氏がここにきてゼレンスキー氏のファッションに着目したようだ。もはや日本でもおなじみになっているが、ゼレンスキー氏はSNSを駆使し、ロシアの侵略に対して徹底抗戦と国際社会の支援を連日アピール。執務室ではTシャツ姿、外出時にもパーカーなどカジュアルな出立ちで機動的に立ち回っている。

公式写真のカメラマンが13日に公開した「コスプレ」ぶりを見ると、マクロン氏はエリゼ宮(大統領官邸)の執務室でパーカー姿で登場。無精ひげまで生やす力の入れようだ。サキシルでもおなじみ戦略学者の奥山真司氏がツイッターで「マクロンがカジュアルな服装でゼレンスキーを真似し始めた疑惑」と述べれば、公開日が日曜とあって「日曜日に彼がハードワークしているように見せている」(英デイリーメール)との指摘も。

スウェーデン出身のジャーナリスト・政治活動家、アニカ・ロステイン氏は「明らかに“ゼレンスキースタイル”の写真を公開しているが、戦争してないのだからご本家には到底及ばない」と冷ややかだ。

一方、ウクライナ出身の作家で、ロシアなどの極右活動を研究した著作のあるアントン・シェホフツォフ氏はツイッターで「マクロンはゼレンスキーをコスプレしている」とズバリ指摘した上で、「それについて悪いことは何もない。ウクライナ大統領は今や西側の道徳的指導者であるという、非常にシンプルな事実を確認するに過ぎない」と、抑制的な口調ながら好意的に評した。

来月に大統領選を控えるマクロン氏だが、再選に黄信号が一時点灯。ウクライナ情勢が緊迫して以降、ロシアのプーチン大統領の説得を試みるなどして露出が増えたからか、最新の世論調査ではトップの支持率を維持しているようだが、ゼレンスキー人気にあやかろうと必死のアピールなのは確かなようだ。