F1第3戦オーストラリアGP予選後、ポールポジションを逃して2番手に終わったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、珍しくマシンのセットアップに注文をつけた。
「この週末は、今のところずっとひどい状態だった。マシンバランスが悪く、常に何かを追いかけていて、ロングランを除けば1周も快適に走ることができなかった。それは予選でも同じで、一発アタックでは自信を持ってアタックすることがなかなかできなかった」
フェルスタッペンがマシンバランスに苦しんでいたことは、金曜日のレッドブル&HRC密着でも触れた。フリー走行1回目から2回目にかけて改善したと思われたが、結局、根本的な問題は土曜日になっても直っていなかったわけだ。これは予選で3番手に終わったセルジオ・ペレスも同様だった。
なぜ、レッドブルは今回、ここまでバランスに苦しんでいるのか。レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、コースレイアウト変更と路面の再舗装によってタイヤへの入力が異なり、セットアップを読み間違えていたためだと説明した。
2020年に開幕直前に中止となって以来、2年ぶりにF1を迎えることになったオーストラリアGPは、その舞台であるアルバートパーク・サーキットのコースレイアウトを変更した。最も大きな変更はバックストレートが始まる直前のシケインをなくし、ロングストレートにしたことだが、じつはそれ以外にもレイアウト自体は同じだが、多くのコーナーがモディファイされていた。
たとえば、今週末、多くのドライバーがコースアウトしたりクラッシュした11コーナーはコース幅とコーナーのR(半径)が変更されていた。またこの週末、フェルスタッペンがブレーキングで苦しんでいた最終コーナー手前の13コーナーも同様だ。路面も全面再舗装されている。コースを1周歩いたピエール・ガスリー(アルファタウリ)は、その印象を「似て非なるもの」と語った。
そのため、持ち込んだ空力パッケージとイニシャルセットアップが最適なものではなく、結果的にマシンが正常に走行できるウインドウから外れていた。フェルスタッペンがタイヤのウォームアップに苦しんでいたのは、そのためだった。
そのことはペレスも同様で、予選Q3の最後のアタックは、ペレスが2アタック、フェルスタッペンが1アタックとウォームアップ方法が別れた。
果たして、1アタックのフェルスタッペンは温まりきらず、2アタックのペレスは本来であれば、2アタック目にタイムを出したかったところが1アタック目にプッシュしすぎて、タイヤのグリップが残っておらず、燃料が軽い2アタック目に自己ベストを更新できなかった。
2台のレッドブルドライバーが苦しむのを尻目に、2アタックの2回目にラップをまとめあげて自己ベストを更新したシャルル・ルクレール(フェラーリ)が、3年ぶりのオーストラリアGPの予選でポールポジションを獲得したのだった。