レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、フェラーリのカルロス・サインツの現在のパフォーマンスがチームメイトのシャルル・ルクレールに及んでいないことは、レッドブルにとっていいニュースではないと認めている。
ルクレールは、開幕戦バーレーンGPでの優勝と、第2戦サウジアラビアGPで2位に入賞したことにより、ドライバーズ選手権でサインツに12ポイント差をつけて今週末の第3戦オーストラリアGPに臨む。これまでのところサインツはチームメイトよりもパフォーマンスが低く、フェラーリのF1-75のフィーリングをつかむのに苦戦しており、マシンの理解をより深める必要があることを認めている。
しかしレッドブルは、サインツがルクレールからポイントを取り上げてくれれば、レッドブルのチャンピオンシップにおける野望にとって都合がよくなると期待している。だがこれまでのところ、その見通しは期待どおりに展開していないとマルコは認めている。
「昨年は、彼(サインツ)がルクレールと同じレベルにあったことがうれしい驚きだった。実際のところ、今年も同じであるように望んでいた」とマルコは語った。
「しかしテストやレースですでに見られているように、彼はコンマ3秒から4秒後れをとっている」
「それは我々にとって不利なことだ。なぜならあのふたりが互いにポイントを奪い合ってくれると考えていたからだ。今のところそうはなっていない」
「だがサインツは知的で速い男だ。彼は適切に物事に対処し、うまくいけば後押しを得るだろうと思う」
マルコは、レッドブルがルクレールと戦うためにマックス・フェルスタッペンに全力を注ぐ可能性を否定し、特にセルジオ・ペレスの現在のパフォーマンスレベルを考慮すれば、チームオーダーに頼るのはシーズンにおいて時期尚早だと主張した。
「(サウジアラビアGPの)レース前に明確にしていたことだが、これほど早い時期に、しかもふたりがまだポイントを獲っていない時に、チームオーダーを出すようなことはあり得ない」
またマルコは、ペレスがF1の新世代マシンにうまく適応していると述べている。
「各チームを見てみれば、状況は違っている。一部のドライバーは近づいている。フェラーリは反対側にいるが」
「ペレスについてはふたつの要因があると思う。第一は、マシンが彼により合っていること。だから彼はいっそう快適に感じている。第二は、チームが彼のことをもっと知るようになったことだ」
「彼のレースエンジニアも仕事とともに成長したので、より自信を持ち、ノウハウも増えた。そして全体的にはこのような成長が見られていることをとても嬉しく思っている」