ロシアのウクライナ侵略を取り上げた2日放送のTBS系「ひるおび!」で、ゲストのロシア人ユーチューバー、あしやさんがプーチン大統領がスマートフォンを持っていないことに言及した。ネット民は“ワイドショー離れ”もあってか目立った反響はなかったが、プーチン氏が4年前、スマホを持っていないことを確かに告白している。
プーチン氏の発言が報じられたのは2018年2月。当時のAFP通信によると、次のようなやりとりがあったという。
3月18日の大統領選で4期目を目指しているプーチン氏は、シベリア(Siberia)地方を訪れ科学者や学術研究者との会合に出席。原子力研究機関、クルチャトフ研究所(Kurchatov Institute)のミハイル・コバルチュク(Mikhail Kovalchuk)所長の講演中の発言を受けて、「あなたは誰もがスマートフォンを持っていると言ったが、私は持っていない」と述べ、聴衆の笑いを誘った。
同記事では、プーチン氏がそれ以前にも、小学生からインスタグラムをやるのかと問われたのに対し、「インターネットをほとんど使わない」と告白していたことも伝えている。
意外なようだが、ウクライナ危機が顕在化してから、プーチン氏の“アナログおじさん”ぶりは日本ではほとんど注目されてこなかった。サキシルではここまで元産経新聞モスクワ支局長の佐々木正明氏が、プーチン政権による独立系メディアへの言論封殺の実態や、ウクライナ側が巧みなSNS情報戦でプーチン批判の世論を世界的に高めた経緯を紹介しているが、当のプーチン氏はスマホもネットもやらず、自ら“アナログ製のフィルターバブル”に閉じこもっているようだ。
政界入りする前はソ連の諜報機関KGBで勤務していたプーチン氏。最前線にいた若い頃であれば、自国に不都合な情報を積極的に収集するのが職務としていたはずだが、その晩節を血の色で汚した今回の侵略に至るまでの経緯からしても、世論や常識から隔絶されていた中で意思決定を行なっている可能性が浮き彫りになった。