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 自動車用ランプ大手の小糸製作所は昨年7月、新製品のLED中間サイドターンシグナルランプを発売した。サイドターンシグナルランプとは、トラックの車両側面に装着される方向指示器(ウインカーランプ)のことである。

 同製品は、従来の白熱電球タイプに対し光源をLED化するとともに、夜間点灯時には路面に複数の「ストライプ光(帯状の光)」を照射する技術を国内初採用。これにより周囲の歩行者や二輪車などに自車両の挙動を知らせ、巻き込み事故の未然防止を図るという。

 では、さっそくその特徴を見ていこう。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/小糸製作所


重大事故に繋がりやすい
左折時の巻き込み事故低減を目指して

白熱電球より明るく光るLEDを採用し、運転するドライバーはもちろん、周囲からの被視認性も向上する

 国土交通省の調べによると、左折時の自転車巻き込み事故は2008〜2017年の10年間で合計7584件発生。このうち9%にあたる712件が大型トラックによるものとなっている。また、同期間中の左折時の死亡事故件数は149件で、このうち約90%の133件が大型トラックによるものとなっている。

 つまり大型トラックの左折時の巻き込み事故は、重大事故に繋がる可能性が極めて高いということだ。

 これを受け小糸製作所では、大型トラックの巻き込み事故の低減を目的とした製品の開発に着手。開発コンセプトは「ドライバーだけでなく、自転車、二輪車、歩行者にも注意喚起するランプ」と「既販車にも装着できる互換性」の2点だったという。

 実際の商品化にあたっては、現行法規内の配光を守りつつ、周囲への注意喚起につながるストライプ光を路面に照射。自車両の挙動を知らせると同時に、巻き込む危険がある範囲を知らせ、さらに自車両の被視認性をも向上。

 ストライプ光は、車道から路肩・歩道まで届く長さ(縦3.8m、横1.5m)とし、歩行者や自転車からランプ本体が見えなくても注意喚起が行なえるのがポイント。

 白熱電球より明るく周囲を照らすため、ドライバーがサイドミラー越しに自転車や歩行者を発見しやすくなるほか、横断歩道を歩いてくる歩行者からも、右折してくるトラックの挙動が認識しやすくなるという効果もあるという。

 ラインナップは、国内4メーカー向けに4種類を用意。同社の従来製品(白熱電球タイプ)と取り付け互換性をもたせているので、取付時の加工も不要だ。

 光源は白熱電球より長寿命なLED電球を4灯内蔵。レンズをボディに溶着する構造により、内部への雨水・ゴミの侵入を防ぎ、レンズ内部も汚れにくい。IP6相当の防水性能も備わる。

 なお、トラック業界では社会問題化している巻き込み事故をなくすため、死角の歩行者や自転車をセンサーで検知して警報を鳴らすシステムなどが普及し始めている。

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