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 フェラーリのチーム代表マッティア・ビノットとカルロス・サインツは、F1第2戦サウジアラビアGP決勝中、セーフティカー導入時にレースディレクターの判断が遅れたことで、より上位を狙うチャンスを失ったとして、大きな不満を抱いている。

 セーフティカー出動中、ピットアウトしてきたサインツがわずかにレッドブルのセルジオ・ペレスより前でコースに戻ったが、ペレスはサインツを追い越し、前の位置を維持した。ペレスがサインツにポジションを戻したのは、セーフティカー後のリスタートの時だった。そのため、サインツはリスタート時に、前にいたマックス・フェルスタッペンにチャレンジするチャンスを得られなかった。

「僕がピットから出た時、セーフティカーラインで僕の方がチェコ(ペレス)より前だったのは明らかだった」とサインツは言う。

「彼ら(レースコントロール)は、レッドブルに対して、ポジションを返すようチェコに指示しろと言ったわけだが、そう言うまでに6周もかかった理由が分からない。セーフティカーの後ろで15分以上だよ!」

「その遅れによって、チェコはリスタートで僕と戦うチャンスを失った。そして僕は、チェコがセーフティカー出動中にポジションを戻さなかったせいで、マックスと戦うチャンスを失ったんだ」

「周回はたっぷりあったから、その間に行動できたはずだ。でもFIAは僕たちに(順位入れ替えを)許さなかった。レースのために、さらにF1自体のために、こういうことはもっと素早く、もっと効率的に行う必要がある」

2022年F1第2戦サウジアラビアGP決勝 セーフティカーが出動
2022年F1第2戦サウジアラビアGP決勝 セーフティカーが出動

 リスタート前に順位を入れ替えさせたかったフェラーリは、早く調査を行うよう、レースディレクターに対して必死に訴えかけたが、それは受け入れられなかった。

「我々は、無線でレースディレクターに対し、できるだけ早くセーフティカーラインの件をチェックするよう言った」とビノットは言う。

「あの時、我々の方がコンマ2、3秒前にいたと確信していたからだ。彼らが決断を下してスチュワードに伝えるまで、時間がかかり過ぎたと思う。結局、セーフティカーが戻るタイミングで決断したようで、時間が足りずにリスタート前に順位変更をすることができなかった」

「苦情を言っているわけではないが、この手の決断については、スピードアップする必要がある。なぜなら状況は極めて明白だったからだ。違うやり方ができたはずだ。違った対処をすることが重要だったと思う。リスタート前にポジションを入れ替える方が、はるかに公平であり公正だった。それが正しいポジションであり、リスタート時のバトルとして、それが適切だったからだ」

2022年F1第2戦サウジアラビアGP カルロス・サインツ、シャルル・ルクレール、マッティア・ビノット代表(フェラーリ)
2022年F1第2戦サウジアラビアGP カルロス・サインツ、シャルル・ルクレール、マッティア・ビノット代表(フェラーリ)

 FIAは、2021年アブダビGPでレースディレクターが規則に則った適切な行動をとらなかった件について調査を行った結果、2022年には新たな審判システムを取り入れることを決めた。レースディレクターにかかる重圧を和らげるため、スイス・ジュネーブにリモート・レースコントロールを置き、新体制のもとでレースディレクターの決定を早めることが可能になるはずだった。

 次戦オーストラリアGPの金曜には、スポーティングディレクターとF1関係者との会合が予定されており、フェラーリは、今後は今回のようなケースの決断がほぼ自動的に行われるよう、この問題を議題として提出するものとみられている。