レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、メルセデスが2022年型マシンに影響を与えている問題を解決したら、F1のトップグループでの戦いに加わるようになると確信している。
メルセデスは、W13のパフォーマンスを損なっているポーパシングの解決に苦慮している。バーレーンでの開幕戦では、ルイス・ハミルトンが表彰台フィニッシュを獲得したものの、メルセデスのペースはレース序盤を制したレッドブルとフェラーリに大きく離されていた。
しかしマルコは、メルセデスの序盤の不振がある時代の終わりを告げているとか、メルセデスが2013年にレッドブルが経験したのと似た苦境に現在直面しているなどという見方を否定した。
「このふたつを区別しなければならない」とマルコは『Formel1.de』に語った。「2013年以降の時代は新エンジンレギュレーションによって決まった。メルセデスはこの分野で驚異的な支配力を発揮した」
「彼らは誰よりも2秒速かったが、理論的にはそのことを見せなかった。今回はシャシーの変更だ。エンジンの面からすれば、それほど大きな違いはない」
「メルセデスはもはやドアを開けてすぐにパーティを開くようなことはできない。しかしチームの幅は広く、シャシー分野で非常に優秀な人材が揃っている」
「ポーパシングをコントロールできれば、彼らは戻ってくると確信している。そしてルイス・ハミルトンはフェルスタッペンに9ポイント差をつけられているが、それは問題でもなんでもない」
「(ある時代の)終わりとは思わない。同じレベルの戦いかもしれない」
メルセデスの問題の主な原因としてポーパシングが挙げられているが、今シーズンはメルセデスのパワーユニットが圧倒的な強さを失っており、レッドブルやフェラーリのパワーユニットに遅れをとっているという指摘もある。
マルコは、F1が今シーズンにE10燃料を使用することにしたので、メルセデスエンジンはライバルのマニュファクチャラーのものに比べてより影響を受けたのではないかと推測した。
「メルセデスがなぜ遅れをとっているのかその理由はよく分からない。合成燃料が5%から10%に増加したことことは、関係があるに違いない」
「我々にとっては容易いことだったが、すべてが同じということはない。だがもちろん我々はこのことについて、メルセデスの詳しい情報を持っているわけではない」
しかしマルコは、メルセデスAMG HPPから人材が流出したことについてもそれとなく触れた。人材流出は、昨年レッドブル・パワートレインズが人員増強のためにメルセデスのエンジン部門から人材を引き抜いたことが大きなきっかけとなった。
「論理的に考えれば、燃料と関係があるだろう。そしてもちろん、アンディ・コーウェル(の離脱)をはじめとして、50人もの人材が出て行くことがあったら、影響が出るのはごく普通のことだ」