FIA世界モータースポーツ評議会は、バーレーンで開催された最近の会合において、モンテカルロとスウェーデンで行われたWRC世界ラリー選手権開幕2ラウンドの結果と評価に基づく、一連のスポーティングレギュレーションの調整を承認した。
この中のひとつに、今季から導入されているラリー1カーに搭載されるプラグイン・ハイブリッドユニットが異常をきたし、クルーがデイリタイアを余儀なくされた後に受けるペナルティの軽減が盛り込まれている。
ハイブリッドシステムのセーフティライトが、安全を示す“グリーン”から異常を知らせる“レッド”に変わった場合、クルーは競技を中止し当該レグからリタイアしなければならないが、予備のハイブリッドシステムに交換することができれば翌日に再スタートを切ることができる。
今回のレギュレーション変更は、デイリタイア後のリスタート時に科されるペナルティに関するもの。FIA国際自動車連盟は声明で次のように述べている。
「所定の許容範囲内で作動しているラリー1のハイブリッドユニットに安全上の問題が起き、それによってリタイアした後の再スタートに対するペナルティは、通常の(1ステージあたり)10分ではなく、ステージを1回見送るごとに2分とする」
改定されたルールは、4月21~24日にクロアチアで開催されるWRCの次戦第3戦『クロアチアラリー』から適用される予定だ。
この他、今回のWMSCでは、乗員がハイブリッドシステムに問題が発生した車両を退避させる場所を特定できるようにするため、青地に黒文字で“HEV”の文字が入った標識が作られることが決まった。
また、ラリー1カーの初期開発サイクルに基づきFIAとメーカーの間で協議が行われた後、2022年シーズンに追加のテスト日が割り当てられている。