小林可夢偉が「イラっと」しながら死守した2ポイント。“一夜でコンマ9秒アップ”から得た手応え【第2戦あと読み】

 豊田章男社長から、WECのチーム代表就任を打診されるほど、小林可夢偉のチーム・ビルディングには定評がある。マシンのセットアップを主導するだけでなく、ドライバーやスタッフを含め、組織をまとめ上げられるのが可夢偉の魅力であり、戦い方だ。

 そんな可夢偉にとって、コロナ禍でのWECとスーパーフォーミュラの同時参戦は、もどかしいものだったことだろう。2021年のスーパーフォーミュラ出場は1戦のみ。KCMGでの可夢偉のチーム・ビルディングは、昨年はほぼ停滞していたと言える。

灼熱のフロリダから雪の御殿場、そして東富士へ。超多忙な小林可夢偉に聞く、トラブルだらけのセブリング連戦

 3月22日、富士スピードウェイで行われたスーパーフォーミュラの第2回公式合同テスト初日。KCMGのピットには、小林可夢偉の姿があった。

 今季スーパーフォーミュラにエントリーしているのだから当然と言ってしまえばそれまでだが、可夢偉は3月18日金曜まで、アメリカ・フロリダ州のセブリング・インターナショナル・レースウェイで行われていたWEC世界耐久選手権第1戦セブリング1000マイルレースを、ドライバー兼チーム代表という立場で戦っていたばかり。

 WECだけならcarenex TEAM IMPULの平川亮(こちらも帰国直後に富士テストに参加)と同じだが、可夢偉が平川と異なるのは、19日土曜にセブリング行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦のセブリング12時間レースにも参戦していたこと、そして帰国後には“チーム代表業”も抱えている点だ。