中国・上海でコロナ感染が急拡大し、ロックダウンが始まっている。27日に過去最多となる3500人の市中感染を確認し、28日から4月1日まで市の東部(浦東地区)、4月1日から5日まで中心部である西部(浦西地区)で公共交通機関をストップさせ、医療従事者や宅配業者など生活に必要な事業以外の業種は出勤禁止となる。
現在の上海はどんな状況なのか。日系メーカーに勤務し現在は上海に住む駐在員の「そんぷ〜」さん(ツイッター: @songpu_eth)に話を聞いた。
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そんぷ〜さんがロックダウンを知ったのは、当局がロックダウンを発表した直後の28日のことだった。
これまでもショッピングセンターやオフィスビル、地区ごとなどで、小規模な封鎖が何度も行われていました。そのため、私の住んでいるマンションでは、住民同士のグループチャットができ、コロナ情報を共有しているのです。ニュースを知った住人がチャットに投稿してくれたおかげで、すぐに知ることができました。
多少の混乱は織り込み済みなのか、中国のロックダウンは予告なしに突然やってくる。
市の東側に住みながら西側で働いている人もたくさんいる。発表と前後して、急いで西側に逃げてくる人もいたようです。
生活必需品の買いだめも始まっているという。
スーパーは建物の外まで行列ができていて、一部では殴り合って商品を奪い合うようなこともあったらしい。とはいえ、基本的には大きな混乱は起きていません。コロナ禍も3年目に入り、人々も多少のことには動じないようです。
真っ先に品薄になったのは、やはりあの商品だった。
ティッシュは売っているんですが、トイレットペーパーがどこに行っても品切れで、困りました。こんなことなら、ウォシュレットを設置しておくべきでした。
街中は閑散として、人通りも少なくなっている。
路上を歩いている人の数は普段の5分の1ぐらい。地下鉄の車内もガラガラで空席が目立ちます。スーパー以外の商業施設はほとんど閉まっていて、飲食店は持ち帰りとデリバリーのみ営業しています。
工場の運転にも支障が出ているという。
郊外の村に工場があるのですが、地元の村民たちから『地元民以外は村から出て行って欲しい』と要求され、スタッフが出勤できなくなりました。今も工場は閉鎖状態です。
全市民へのPCR検査を行なっているが、運用は少々心もとない様子。
町内会のスタッフからPCR検査を配られたのですが、数十分後に「結果はどうだったか?」と聞かれて「問題ない」と言えばそれでOKでした。
すべてではないだろうが、自己申告で済ませている地域もあるようだ。それでも、政府がはっきりした方針を示していることについては、そんぷ〜さんは肯定的に捉えている。
個々人の判断に任せるのではなく、政府がリーダーシップを取って行動基準を明確にしてくれるのは有り難い。日本のようにどっちつかずの対応を続けるよりは効果的だと思います。
中国のゼロコロナ対策は、正念場を迎えているのかもしれない。