田辺三菱製薬のカナダ子会社メディカゴが提出した新型コロナワクチンの申請手続きについて、世界保健機関(WHO)が受理しない見込みであることが分かった。メディカゴに米たばこ大手フィリップ・モリス・インターナショナルが出資していることが理由とみられる。田辺三菱はWHOの正式通知を待ってから今後の対応を決める。
メディカゴは同社のコロナワクチンをWHOの緊急使用リスト掲載(EUL)に申請する手続きを始めようとしていた。まず企業側が関心表明(EOI)を提出し、WHOが認めた場合のみ正式申請できる。WHOが公開した2日時点の審査状況では、メディカゴのEOIについて「受理しない」と表記されている。WHO担当者が現地メディアに発表したところによると、たばこメーカーであるフィリップ・モリスが資本参加していることを問題視したもよう。フィリップ・モリスはメディカゴに21%出資している。
田辺三菱によれば、WHOからEOIの結果に関する正式通知はまだ届いていない。評価結果の理由などを通知で確認したうえで、関係各社と今後の対応を協議する。WHOのEULや事前認証が認められないと、新興国・途上国へのワクチン普及が難しくなる。
新聞 PDF版 Japan Chemical Daily(JCD)
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