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クラシックカーの世界への激安チケット12枚: これらのモデルは、わずか1,000ユーロ(約13万円)から、ドライビングの楽しさ、減速、個性的なスタイリングなど、素晴らしい体験を提供するヤングタイマー12台だ。エンジョイ!

なにも、「メルセデスSL R129」や「ポルシェ911(996)」である必要はなく、オールドメタルや往時のノスタルジックな体験を望むなら、何万ユーロ(何百万円)もかける必要はない。

選びかた次第では安く済ませることもできる。90年代の華のある車たちは、どれも親しみを与える存在だからだ。その理由は2つある。1つ目は、自分がどれかに乗っていたことを今でも覚えている人が非常に多いということだ。そして2つ目は、初代「アウディ80」、「フィアット プント カブリオ」、「シトロエン エグザンティア」で角を曲がっても、高貴な方々の眼には入らないものの、多くの一般大衆の人々にはノスタルジーとともに暖かな眼差しとともに見送ってもらえるからだ。

クラシックカーのドライバーは、交通コミュニケーションの外交官であり、自転車、歩行者、自動車運転手の間に立って、共感を呼び起こすのだ。そうして、旅先での嫌悪あるいは憎悪に満ちた感情を、温かな一体感で打ち消すのだ!

最も安価な12台のクラシックカー:

ダイハツ クオーレ:
トップバッターは誇らしくもわが日本製モデルだ。心ある小人: 日本の「ダイハツ クオーレ」は、世界最小クラスの5ドア車だ。しかし、ドイツで販売されたモデルのほとんどは3ドアだ。その特徴とは: 最も低い購入コストと維持費、最高の概観と操縦性、確かな技術、非常に少ない燃料消費量。そして、持久力の才能を持つ小人のような好感の持てる魅力。
大林晃平: 日本でも地方の信用金庫の駐車場とかでみかける「ミラ クオーレ」。エアコンは効くし、きっと壊れないので、移動にどうしても足としての気軽なサンダルのような自動車が必要な人にはいいかも。日本でも10~20万円程度で、万国旗の飾られているような街道筋の中古車センターでみかける。
メルセデス・ベンツCクラス(W202):
タフなクラス: 板金さえ腐っていなければ、初代Cクラス(1993~2000)がここで1位になっていただろう。特に4気筒のガソリンエンジンは非常に堅牢だ。そして、特にお買い得なのは、「C180」セダンだ。腐らなければ、永遠の命を持つことができる。錆びていない個体もあるはずだから、それを探せばいいのだ。
大林晃平: さすがに「W202」は登場から20年たっているので、それなりのメンテナンスは必要。できれば最後期モデルの、何もいじられていない、ヘタクソ棒(フェンダーポール)がついたような個体がおすすめ・・・。でも維持費はそれなりにかかることもお忘れなく(エアコンなども心配の種)。
トヨタ スターレット(P9):
グレーの星: ヤリスの先代も、「最もシンプル」であれば安心。「トヨタ スターレット」には、壊れるようなものはあまりない。そして、そこにあるものは持続し、持続し、持続する。75馬力の1.3リッターは、かなり活発だ。なるほど、ビジュアル的には日本車はグレーのネズミに見える。しかし、その内なる価値観には誰もが納得がいくのだ。
大林晃平: 「ターボ」でも、かっとび「スターレット」でもなく、普通の「ヴィッツ」になる前の「FFスターレット」に今乗ること、とは・・・。娑婆っ気の抜けない私にはさすがにここまで油の抜けたチョイスはできない。こんなの日本ではとっくに廃車だろう、と検索してみたら、数台が20万円前後でちゃんと販売中。でもあなたは他の車ではなく、あえて普通の「スターレット」を買う、こだわりの人かも。それにしてもパブリカ ➡ スターレット ➡ ヴィッツ ➡ ヤリスと、名前の変遷が激しい。
サーブ900 II(1993~98):
「オペル ベクトラA」をベースにした「900 II」は、コンバーチブルを除けば、熱心なサーブファンの間では、まだ欲しいものリストには入っていないようだ。オペルの確かな技術に耐え、大衆趣味から離れたクラシックカーを探している人は、掘り出し物を楽しみにしていてほしい。
大林晃平: 日本でも一時期、妙なブームになった「サーブ900」。西武自動車販売で、「プジョー505」とか「シトロエンCX」と並んで売られてましたっけ。乗ると、ほんわかした焼き立てパンみたいなシートと、サイドブレーキうしろのキーシリンダーが印象的だった。マイナートラブルは結構多いので覚悟して乗ろう。手動式のサンルーフ付きだったらお洒落な感じだ。
スズキ アルト(1994~2006):
小さいけど、いいクルマ: 古いクルマを大切に乗りたい、取得費や維持費の安さを最大限に重視したいという人には、スズキの「アルト」がおすすめだ。「HA」型はリッター20kmという好燃費で走り、技術的にしっかりしていて要求も少なく、機敏で運転しやすいのも特徴である。
大林晃平: 日本でもスズケングループの青く塗られた「アルト」から、駐車違反の緑の服を着た二人組のおじさん移動車として愛用されていた(?)「アルト」。もちろん日本では在庫も豊富。トラブルもきっと多くないけれど、エンスージャストのチョイスするような「アルト ワークス」は、しっかり高値安定傾向なのである。鈴木 修元会長になんとなく似ているような顔つき、というのは気のせいだろうか・・・。(笑)
シトロエン エグザンティア(1993~2001):
ハイドロニューマチックサスペンション、ベルトーネによるエレガントで流れるようなライン、優れた快適性と広いスペースなど、「エグザンティア」は、シトロエンを特別でユニークなものにしているすべてを備えている、知られざる偉大な車。多くの人が知らないこと。技術的には、「エグザンティア」は、弱点を克服した堅実なクルマだ。「シトロエンXM」に似ている近い存在。しかも安い。
大林晃平: 出た当初は前任車の「BX」とのギャップに驚いたものだが、今見ても、本当にスタイリッシュ! デザインぜんぜん古びてない。というか、今の多くのクルマ(シトロエンを含む)にまったく見劣りせず。この大きさで、この「エグザンティア」のようなハイドロニューマティック シトロエン、もう一度作ってもらえないものだろうか・・・。
BMW 3シリーズ コンパクト(E36):
いやあ、この3シリーズE36は楽しい。特に170馬力の「323tiコンパクト」がそうだ。後輪駆動とキレのあるハンドリングのおかげで、リアエンドを躍らせる醍醐味を味わうことができる。残念ながら、「323」はもう安くはない。しかし、102馬力のベーシックな「316i」は、約1,000ユーロ(約13万円)で手に入れることができる。走りの楽しさではゴルフを圧倒的に凌駕している。
大林晃平: さすがに「E36」は日本でも安いだろう、と小バカにして(失礼)、検索したところ、なんと60~90万円という高値で数台が販売中(どうやら、この後のモデルは不人気なようで、年式は新しくともE26の半分以下の値段になってしまう)。ビーチサンダルみたいに気楽に乗れるBMW。
ルノー トゥインゴ:
世界を狂わせた: 1993年、「トゥインゴ」のテレビコマーシャルを覚えていますか? スローガン: このクルマは世界を狂わせる。宣伝文句が完全に真実である数少ないケースのひとつだ。半円形のギョロ目、キャンプもできる可変式の室内空間、カラフルなスイッチ類・・・。トゥインゴは違う! 現在、1,000ユーロ(約13万円)から使用可能な個体が市場に出回っている。特に初期型はすぐに価格が上昇する。賭ける?
大林晃平: この色と内装(つまり初期モノ)に乗っていた人を、僕は二人知っている。残念ながらキャンバストップはついていなかったけれど、ほんわか、ふんわり、そして実用的でとってもいいクルマだった。なんともこの時代は懐かしい!と思う人がやっぱりいるのか、20年落ちの一台(後期モデル)が我が国の中古車市場で、110万円で売られています(もとの価格を考えればけっこう高い!!)。
アウディ80(1991~1994):
運が良ければ、12万km走行の「アウディ80 2.0E」の中古車が1,000ドル(約13万円)で手に入るかもしれない。「アウディ80」は、装備の充実した4気筒サルーンとして、良い買い物だった。じわじわと価格の上昇する「アバント」や、人気の高い「クワトロ」の5気筒、6気筒モデルよりもかなり安価だ。ほとんどガタが来ない(フル亜鉛メッキ!)。時々タイミングベルトを交換し、オイルを新しくしておきさえすれば問題ない。
大林晃平: このころのアウディはシンプルですっきりととってもいい感じのデザインである。特にこの「80」は大きさも手ごろで好感が持てる。だがアウディはマイナートラブルも多く、特に年式が古くなるとなかなかパーツ問題も出てきてしまうので、おいそれと手を出さない方いいかも(アウディ、パーツがけっこう高いんです)。
ランチアY(1995~2003):
カラフルな愛らしい犬: 他のどの車よりもカラフルな小型車。ランチアY(イプシロン)では、顧客は100以上の塗装仕上げから選ぶことができた!? 高貴で、しばしばカラフルなアルカンタラの内装は、「イプシロン」ならではの売り物だった。技術的には、機械的にしっかりした「フィアット プント」がベースになっている。現在、この小さな高貴なイタリアンは、市場ではめったに見かけない。
大林晃平: 実はその昔、この車を発注しかけたことがある。カレイドスという、100色選べる初期の頃で、色(明るい紺)に、ベージュのアルカンタラ内装を組み合わせていざ発注、という段になって申込金を払うのに躊躇し(情けない)、ご破算になってしまった。今でもカレイドスや、あの内装を選べるシステムなどなど、なんて素敵な自動車だったのかと嬉しくなってしまう。このクルマをデザインしたエンリコ フミアに会ったことのある人に言わせると、イタリア人とは思えない、とっても穏やかでナイーブな人、だそうである。
フィアット プント カブリオ(1994~2000):
秘密公開: 私たちは明かす。オープンカーを最も安く運転する方法を。オープントップの「プント」は、トップモデルでも、2,000ユーロ(約26万円)を超えることはほとんどなく、1,000ユーロ(約13万円)以下でも使える車両がある。メンテナンスのリスクもほとんどないし、パーツも非常に安価だ。重要なチェックポイント: ルーフの状態。
大林晃平: 惜しいことに、ちょっとエレガントさに欠けるんだよな、「フィアット プント カブリオ」。普通のモデルも、前任の「ウーノ」のほうがスタイリッシュに見えてしまう。乗ってみればサイズなどなど含め、これぞフィアット。ベネトンのセーターみたいに、気楽に色や形を楽しむような、そんな一台。谷川俊太郎さんがそんな風に乗っていたはず(きっとお似合い)。
VWゴルフIII TDI:
1991年、それはセンセーションを巻き起こした。90馬力の「ゴルフ3 TDI」は非常に経済的であるだけでなく、「GTI」と同じくらい軽快な走りを見せた。「TDI」という略語は、短期間のうちに、新しいディーゼル時代のイメージアップのシンボルとなったのである。現在では逆に、価格は、1,000ユーロ(約13万円)からと、お買い得品となっている。残念ながら、「ゴルフ3」は錆びるのが早いのだ。
大林晃平: ゴルフⅠでもゴルフⅡでもなく、ゴルフⅢ・・・。あえてこの30年くらい前の「ゴルフ」に乗ろうという理由とは・・・。ちょっと私にはわかりかねるが、あの時代の残り香をどうしても、とか、今の「ゴルフ」は絶対にイヤ、とかそういう人でしょうか。検索してみたところ、「GTI」であっても「CLI」であっても、だいたい50万円前後くらいで、まだ「ゴルフⅢ」も結構いっぱい日本でも売っていることにびっくり。

Text: Lars Busemann
Photo: autobild.de