2022年3月末日で廃止される都営バスの「東20」系統に乗りバスしたのでレポートする。本路線が開設された目的のひとつである東京都現代美術館に立ち寄るルートだ。
文:古川智規(バスマガジン編集部)
写真:小野寺利右
錦糸町駅前はターミナルではない
「東20」系統は錦糸町駅前から東京駅丸の内北口を結ぶ路線だ。担当は江戸川営業所臨海支所。同じ区間を結ぶ路線に「東22」系統があるが経路が異なる。今回は錦糸町駅前から乗車した。
錦糸町駅前の南口発着のバスのほとんどがターミナルに入るが、東20系統は四ツ目通りの路上バス停が始発地だ。錦糸町駅前から菊川三丁目までは錦糸町駅前発と着では経路が異なる。四ツ目通りを南下し都営新宿線の住吉駅前までは東22系統と同じ経路で、ここから別れ都営新宿線の上を西に走る。
菊川駅前で三ツ目通りに入り、さらに南下する。東20系統は三ツ目通りにある東京都現代美術館への交通を確保する目的で設定された路線でもあるので、東京駅方面行きは美術館の構内のバス停まで入が、他の路線は入らない。
乗降なし!
件の東京都現代美術館にわざわざ入ったものの、乗降はなくそのまま三ツ目通りに戻る。美術館は開館していたがコロナの影響なのか交通不便のために来館者が少ないのかはわからないが、いずれにしても主目的のひとつがあまり機能していなかった。
木場駅前で永代通りに入り、ここからは東22系統と同じルートを通る。同時に東西線の上を走る。東22系統は東陽町駅前を経由するので乗車率は高く、錦糸町駅前-東陽町駅前の区間便があるが、東20系統は鉄道空白地を経由するものの交通需要は東陽町にはかなわないため、全線にわたり乗車は少ない。
永代通りは高速バス銀座?
永代通りは東西線が走っているため、総じて乗降は少ない。しかしバスファンにとっては撮りバス、見バスができる通りでもある。JRバスの車庫に回送するJRや共同運行会社の高速車が数多く走るからだ。
門前仲町を経由して隅田川を渡れば中央区に入り、急に風景がビジネス街に変わる。茅場町や日本橋といった金融街を通り呉服橋に停車する。呉服橋は東京駅八重洲口方面には最寄りバス停で、新幹線にはこちらが便利だ。
改札の目の前で降車できる!
JRのガードをくぐり丸の内側に出ると終点の東京駅丸の内北口だ。以前は一度、丸の内のビジネス街を回りこんで路上バス停から発着していたが、丸の内のロータリーが整備されたことで駅前に着くことができるようになった。降車停留所は丸の内北口の改札前で東京駅に到着するバス停の中で最も改札口に近い降車停留所だろう。
降車扱いをした東20系統はそのままロータリーを半周し、車内点検を行った後に折り返しの東20系統として錦糸町駅前に戻っていく。
便数が少ないのも利用機会を失った要因か?
東京都現代美術館への足を確保する目的だとは言え、ターミナルを結ぶ路線にもかかわらず便数が少ないため東22系統と比較して利用機会が限られるのも災いしたのかもしれないが、新幹線や高速バスで東京駅に到着してさほど歩かず座って移動できた東20系統(東22系統を含めて)は、便利な系統だったので廃止は残念だ。
今後は東京駅丸の内北口から錦糸町方面への便はS-1系統も廃止されるので東22系統のみになり、東京都現代美術館へは業10系統(とうきょうスカイツリー駅-新橋)に託されることになる。
投稿 都営「東20」系統 肝心のあのバス停では乗降なしのラストラン!! は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。