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Lotus Eletre(ロータス エレトレ)。内燃機関を搭載する最後のロータス、「エミーラ」をもってEVに完全シフトするロータス初のBEVはSUVスタイルだった。販売は米国/中国がメインでスタートする予定で、日本導入時期は未定となっている。

世界初のオールエレクトリック ハイパー SUV

「E」で始まるロータスロードカーは、東ヨーロッパ言語で 「Coming to Life」 を意味し、新世代ロータスのアイコンとなる。

そのエレトレは、ロータス初のプレミアムライフスタイルパフォーマンス電気自動車という位置づけ。中国の武漢に新しく建設された最先端の施設で製造される。

・ロータス初の5ドアプロダクションカー
・ロータス初のスポーツカーセグメントのモデル
・ロータス初のライフスタイル EV
・世界初の英国ハイパーSUV
・最高出力:600hp~
・350kW の充電時間はわずか 20 分、400km の走行が可能で、22kW の AC 充電も可能
・目標航続距離:600 ㎞
・0-100km / h(0-62mph)加速:3 秒以下
・2022年後半から生産開始

ポロシティ

エクステリアデザインは、ベン・ペインがメインとなり英国ウォリックシャーにある、ロータステクノロジークリエイティブセンターが担当。キャブフォワード、ロングホイールベース、フロントとリアのショートオーバーハングなど、“ライトウェイトスポーツカー”などロータスの象徴的なDNAを引き継ぎながらも大胆かつドラマチックなニューモデルが誕生。全体として、軽快さがあり“SUV”というよりも“背の高いスポーツカー”という印象を与えている。

ロータス曰く、このデザインの特徴的な要素は、「ポロシティ」。空気は、車を通り抜けるだけでなく、車の下、上、周囲にも流れるという空力学的な理論。ポロシティはエヴァイヤのデザインの中心であり、エミーラにも取り入れられており、エレトレにも明確なインスピレーションを与えているという。最も顕著なのは、車の前縁の下で空気が流され、ボンネット上部に組み込まれた2つの出口から排出されるところで、フロントホイールアーチの前方や後方、リアホイールの後方、さらにはDピラーの上部にもポロシティがある。ドライバーにとっては、空気を切る抵抗が少なくなり、航続距離、速度、性能の向上など、電気自動車に必要な、空気抵抗を減らして、より効率的な走行が可能になるというメリットがある。

さらに、エレトレの特徴であるアクティブフロントグリルは、三角形の花びらが連結したネットワークで、中央部分をコントロールしている。複雑なデザインで、静止時や走行中の空気抵抗を減らす必要があるときは、閉じて、電気モーター、バッテリーパック、フロントブレーキの冷却が必要なときには、独特のパターンで開いて空気を取り入れる。

リアには、左右に特徴的なカーボンファイバー製のスプリットルーフスポイラーがある。中央部を無くすことで軽量化を図り、LIDAR センサーをガラス上部に配置するというロータスらしい発想。優れたエアロダイナミクスを実現するために最適化されたスポイラーは、ガラスを流れる気流をアクティブテールゲートスポイラーに導き、速度に応じて角度が変わる。

超プレミアム素材

インテリアは、手に触れる主要な箇所には、プレミアム感と耐久性の高い人工マイクロファイバーを使用し、シートには高度なウール混紡生地を使用しています。 従来の皮革より 50%軽量で、さらに軽量化が可能な素材。カーボンファイバーの使い方は独自に、よく見られる「織り」を使用するのではなく、「織りの端」からトリミングされた繊維をリサイクルした素材をマットにして、樹脂で圧縮され、高級大理石のような仕上がりにしている。

ドライバーオリエンテッドなコックピットとハイセンターコンソールは、ロータスエミーラとエヴァイヤにインスパイアされており、落ち着いた雰囲気を醸し出している。三角形をテーマとして強調された素材とテクスチャーのレイヤーはプレミアムなフィーリングを与え、外装ではアクティブフロントグリル、室内周りにも複数の場所で見られる。

ロータスのライトウエイト哲学 ー 必要のないものは取り除く ー は随所に反映されていて、インストルメントパネルにはリアスポイラーのデザイン同様に、ダッシュボード上部の中央部を取り外したようなデザインになっている。エレトレの室内には実用的な収納スペースが豊富にあります。 センターコンソールには、携帯電話用のワイヤレス充電
を備えたトレイと、カバー付きのカップホルダー、美しく形造されたドアには、1Lボトルが収納できる。後席には中央のスペースに引き出しと、2つのカップホルダーが付いた分割式のアームレストがあり、カップホルダーの先には角度調整可能なインフォテイメント用の9インチタッチスクリーン、その下にワイヤレス充電トレイが備わっている。

先進のインフォテイメント

インターフェイス(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)の分野で豊富な経験を持つ英国ウォリックシャーのデザインチームと中国のロータスチームのコラボレーションにより開発されたインフォテイメント。

インストルメントパネル上部には室内を横切って走るフラットなライトがあり、電話がかかってきた時や、設定変更した時、バッテリーの状態などを色の変化でインフォメーションするというヒューマンマシンインターフェース(HMI)の一部を形成している。

ドライバー前方に設置されているスリムなメーターは、主要車両情報とトリップ情報を伝え、 助手席側はドライバー側とは違う音楽選択や近くの名所など、さまざまな情報を表示できる。その間には、最新のOLEDタッチスクリーンテクノロジーを採用した、車の高度なインフォテインメントシステムへのアクセスをする15.1インチのランドスケープインターフェイスが設置される。 不要な場合は自動的にフラットに折りたむことが可能。 また、AR(拡張現実)技術を搭載したヘッドアップディスプレイが標準装備されている。

オーディオシステムは、有名な英国のブランドKEFの800 ワット、15スピーカーシステムが標準だが3Dサラウンドサウンドテクノロジーを備えた1500ワット23スピーカーのKEFリファレンスにアップグレードが可能。

エレトレのUI/UXは3つの柱により構成される。1 つ目は「ライトウエイト」で、メイン画面を 3 回タッチするだけで、ユーザーは車の機能の 95%にアクセスできる。 2つ目の「インテリジェンス」は、システムの多用途を意味し、設定メニューを通じてフルにカスタマイズできる。3つ目は「イマーシブ」となり、入念に作成および厳選されたコンテンツと、乗員をエキサイトし魅了するインタラクション。これには、画面上の3次元の世界が含まれ、エレトレをヒーローとして紹介し、ゲームやモバイルテクノロジーの世界からのユーザーエクスペリエンスを提供してくれる。

エレトレには、インフォテインメント以上のテクノロジーによる最新の先進運転支援システム(ADAS)がある。これらは、将来を見据えて設計されているため、自動運転システムをOver The Air(OTA)アップデートを介して新しい機能を有効にできる。そして、いくつかのシステムは、車に展開可能なLIDARテクノロジーを利用しており、エレトレに近くの駐車スペースから自律的に運転するように要求し、移動が完了したら自律的に再駐車できることが可能になる。規制で許可されている場合は、(OTA)ソフトウェアアップデートを介してさらに機能
を追加できます。
エレトレには、インテリジェントアダプティブクルーズコントロール(ACC)、衝突軽減サポートフロント(CMSF)、交通標識情報(TSI)、ドアオープン警告(DOW)、リアクロストラフィックアラート(RCTA)、フロントクロストラフィックアラート(FCTA)、レーンチェンジアシスト(LCA)、幼児置き去り検地システム(CPD)、レーンデパーチャーワーニング/プリベンション付きレーンキープエイド(LKA+)、パーキングエマージェンシーブレーキ(PEB)、衝突軽減サポートリア(CMSR)、エマージェンシーレスキューコール(E -電話)がオプションで選択可能。後部座席外側には i-Size チャイルドシートアンカーポイントがある。エレトレは、5G互換性を含む最新の接続テクノロジーを備えているので、スマートフォンアプリを介し車への継続的な接続、OTA ソフトウェアの更新、およびソフトウェアの新機能が利用可能になったときに顧客が購入できるようになっている。 エレトレのオーナー向けのスマートフォンアプリには、運転ログ、車両と充電のステータス、リモート機能、位置情報サービス、およびその他の多くの機能へのアクセスが含まれます。

EVプラットフォーム

エレトレは、高電圧配電システムが統合された、新しい800vEVアーキテクチャが採用されて
いる。 このアーキテクチャは、アルミニウムと高張力鋼を使われ、フラットな「スケー
トボードスタイル」のバッテリーパックと電気モーターは地面に近く、低重心を実現し、優れたダイナミックパフォーマンスを実現する。

2つある電気モーターは、前輪、後輪をそれぞれが駆動する。スリーインワンの電気駆動システムが、各モーターをコントローラーと減速機と統合し、制御するのでユニットをより小さく、より軽くできている。システム出力は600hp~だ。

サスペンションはリアに、5リンクサスペンションがあり、標準装備にはエアサスペンションとコンティニュアスダンピングコントロール(CDC)が含まれている。アクティブライドハイト、アクティブリアアクスルステアリング、アクティブアンチロールバー、ブレーキによるトルクベクタリングがオプションで可能。ステアリング、ダンパー設定、パワートレイン、アクセルペダルのレスポンスを調整する 4 つのドライブモードがあり、モードはレンジ、ツアー、スポーツ、オフロード、インディビジュアルとなり、すべてのバージョンの車に標準装備される。

Lotus Eletre(目標値)

パワーとパフォーマンス

パワー 600hp / 608.3ps より
バッテリー 100+kWh
最高速度 260km/h / 161mp/h
0-100km/h 加速 3.0 秒以下
航続距離 WLTP 600km / 373mile

車両寸法

全長 5,103mm
全幅(電動リアミラーディスプレイ車) 2,135mm
全幅(ドアミラー車) 2,231mm
車高 1,630mm
ホイールベース 3,019mm

※2022年3月30日現在の情報

2022年後半から生産される、新世代ロータスによる「エレトーレ」のリリースが待ち遠しい限りである。

Text:アウトビルトジャパン
Photo:エルシーアイ