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<p>県議が「海外視察」のはずが…エッフェル塔で記念撮影し買い物、報告書はウィキ引用 : 社会 : ニュース</p><p>県議が「海外視察」のはずが…エッフェル塔で記念撮影し買い物、報告書はウィキ引用 #社会</p><p>ドイツのビアホールで飲酒、エッフェル塔で記念撮影、パリで買い物……。香川県議の海外視察を巡り、昨年12月に高松地裁であった住民訴訟の判決は「視察に名を借りた観光」と批判した。 問題となったのは、県議計20人が2016、1</p><p>ドイツのビアホールで飲酒、エッフェル塔で記念撮影、パリで買い物……。香川県議の海外視察を巡り、昨年12月に高松地裁であった住民訴訟の判決は「視察に名を借りた観光」と批判した。 問題となったのは、県議計20人が2016、17年、ヨーロッパやアメリカなど計10か国を訪れた4回の視察。地裁は20人全員に、旅費の一部となる計約750万円を返還させるよう県側に命じた。 中でも、17年6月のヨーロッパ視察(9日間)では、県議6人が飲酒や観光を繰り返したほか、地下水温が低い香川では実用化が難しいとされる地熱発電の関連施設を見学。地裁は旅費全額約600万円の返還を求めた。 判決後、県側は高裁への控訴を断念した。 海外視察は、議員自ら訪問先を選び、現地を訪れ、そこで得た知見を施策に生かすための活動だ。移動や宿泊などの経費は公費で賄われ、香川県議会では、1日当たり9400~5100円が支払われる。 市民オンブズ香川の調査によると、県議会が15年4月~18年5月に行った海外視察の支出総額は、全国で愛知に次ぎ2番目に多い約9100万円。派遣議員数も福岡、北海道、愛知に次ぐ延べ83人で、人口比を考えると、突出して多い。以降もコロナ前に延べ24人が4回行い、約2200万円が使われた。 県議会では17年6月、判決で全額返還となったヨーロッパ視察で、県議が飲酒や観光を楽しむ様子が民放で全国放送され、議会事務局などに抗議の電話が殺到。これを受け、議会は同12月、海外視察に関する要領を作り、帰国後の報告書提出を義務付けた上、議会のホームページ(HP)で公開するようになった。 だが、その報告書についても、地裁判決は、インターネットからの引用があったと指摘した。それらは要領策定前のものだが、ネットの百科事典「ウィキペディア」などから引いたとみられる文章や写真が12か所あったと認定。さらに、県議の一人は「報告書の作成は他の人に任せ、自分では書いていない」と明かす。 他の自治体はどのように運用しているのか。 京都市議会では、事前に有識者らが視察の必要性をチェックする審査会を開き、帰国後も、議員が議会で視察結果を報告する様子がHPで中継される。静岡県議会でも、視察前に専門家を交えた意見交換会を実施。報告書を作った議員の顔写真と署名、詳細な内容を記載し、議会のHPで公開している。 公費による海外視察を認めていない自治体もある。富山市議会は16年に廃止。高知県議会には、議員が訪問先を選んで行う海外視察の制度自体がない。 地方自治に詳しい香川大の三野靖教授は「海外視察が県議にとっての『既得権益』となり、税金で行う公務という認識が欠如している」と指摘。「視察の成果がどう反映されているのかを検証する仕組みづくりが必要。また、コロナ禍をきっかけに、リモート調査の導入など、視察活動のあり方自体を見直すべきだ」と語る。</p>