3月25日に開幕した東京モーターサイクルショーで、カスタムパーツメーカーの「ドレミコレクション」がホンダCB400スーパーフォア(SF)に適合する外装などのタイプXキットを発表した。
写真の通り、現代でも大人気の伝説の旧車、ホンダCBX400Fに瓜二つの姿に生まれ変わる。CBX400Fは高くて手が出せなくてもCB400SFベースなら乗れる可能性が高まるのだ。
文/市本行平、写真/宮下豊史(ミヤシーノ)
【画像ギャラリー】CBX400FとCB400SFとタイプXキット装着車を見比べてみる!(11枚)画像ギャラリーキットで30万円!? なら安い!! オリジナルCBX400Fは500万円のタマも
バイクの中古車価格高騰は、現在趣味モデルだけでなくコミューターにも波及している。旧車においてはすでにコレクターアイテムの域に達しており、最高峰のカワサキZ1は1000万円を超える例も珍しくなくなっている。
中型クラスではホンダCBX400Fの人気は特に高く、絶版車販売最大手のウエマツでは500万円で取引された例もあり、平均的には300万円前後で販売されている。当時の新車価格が47万円ほどだったことを考えると、異常な相場となっている。
そこで岡山県のドレミコレクションが製品化を目指すのが、CB400SFに適合するタイプXキット。ドレミコレクションが得意とするスチール製燃料タンクの他、シートやテールカウル、サイドカバー、マフラーなどのパーツを用意した。
これを装着したCB400SFは、懐かしのCBX400Fにしか見えない姿に変身。中身は水冷エンジンの現代モデルなので信頼性が高く、何より30万円と予想されるキット価格で、CBX400Fが欲しいけど手が出ない、乗るのがもったいない、といったライダーから支持されそうだ。
CB400SF現行モデルに対応したタンクやテールカウルも製作
今回ドレミコレクションは、現行CB400SFのNC42型(2007年~)用のタイプXキットも製作。NC42は、タンクに電子制御式燃料噴射に対応した燃料ポンプを装着する必要があるが、タンク裏側の構造を工夫することでNC39と共用にしている。
問題はテールカウルで、この型ではタンデムシート部分にグラブバーが装着されていることもあり、シートフレームの形状がNC39と異なる。そのためCBX400Fオリジナルスタイルのテールカウルを装着することができないのだ。
そこでドレミがNC42に用意したのが、通称「ツッパリテール」と呼ばれるカウル形状。メーカーSTDのデザインがNC42ではツッパリテールに近づいており、さらに車両本体に無加工で装着できるようにするための対策にもなっている。
ドレミとしては、今回二つの型式とスタイルを提案することにより、どちらの需要が高いかを調査することも目的となる。現状はFRPで製作されているカウルをABS樹脂製とし、コストパフォーマンスを高めて販売することがゴールになるという。
ドレミコレクションが目指すのは中古CB400SFの付加価値向上
過去にゼファーに適合するZ400FXタイプ外装キットを発売してヒットさせたこともあるドレミコレクションが、今回満を持してCB400SF用のタイプXキットを開発した目的は、「中古市場に眠るCB400SFの付加価値を高めるため」と武浩社長は語る。
現在、CB400SFはホンダディーラーのみの取り扱いとなり、一般販売店は新車販売ができない状況にある。ただし中古車に関してはその限りではないので、タイプX外装キットを装着して価値を高められるのであれば、販売店の助けにもなるのだ。
ちなみに、バイクポータル・Webikeの「バイク選び」において、400ccの人気ランキング1位はCB400SF。中古車としても高い人気を誇り流通量も豊富なCB400SFの価値が高まれば、業界が活性化するのは間違いないだろう。
コロナ禍以降、CB400SFの中古車はオークション流通量が減少し、相場が上昇傾向にある(ギャラリー写真参照)。その影響で、車体に何かしらのダメージがある評価3点車でも成約されるケースが増えているという。このダメージ車がタイプXキットで「お宝バイクに化ける」(武社長)という、業界を俯瞰したプロジェクトでもあるのだ。
【画像ギャラリー】CBX400FとCB400SFとタイプXキット装着車を見比べてみる!(11枚)画像ギャラリー投稿 30万円であのCBX400Fに大変身!? 現行バイクを伝説の名車に仕立てるキットが凄い は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。