皆さんご存知の通り、昨今は世界中でコンパクトSUVが売れ筋モデルになっている。ポルシェやメルセデス・ベンツといった高級ブランドでさえSUVを避けては通れない。
世界中で人気のあるSUVだが実は、この市場を開拓したのは2021年に国内販売を終了したスズキ エスクードと言っても過言ではないのだ。今回は超偉大な功績を残したエスクードのスゴさを改めて振り返っていこう。このモデルがなかったら今のブームなんてなかったかもしれない!?
文/ベストカー編集部
写真/スズキ
■初代エスクードはコスパ最強で大ヒット!
スズキ 初代エスクードがデビューしたのは1989年のこと。当時「SUV」という言葉は使用されず、この手のモデルはもっと大きな括りで「RV」と呼ばれていた。
そしてRVといえばトヨタ ランドクルーザーシリーズや三菱 パジェロといった大きなボディを持つ本格クロカンモデルしかなく、価格もグレードによっては500万円クラスに入るような高級車という扱いであった。
そんな時代に初代エスクードは、136万4000円~という超低価格で勝負に出たのだ。しかもランクルなどと同様にラダーフレームを持つ本格派でありながら、ボディサイズも5ナンバーをキープする手軽さ。イメージとしてはジムニーの乗用車版といったところだ。
ちなみに初代エスクードのボディサイズは全長3560mm×全幅1635mm×全高1665mm(3ドアモデル)であり、現行モデルに例えるとトヨタ パッソや日産 マーチ程度である。
ハードトップにコンバーチブル、そして1990年に5ドア仕様のノマドを追加設定するなど、バリエーションの豊富さも人気を後押しした要因であった。初代エスクードは本格派でありながら手ごろな価格、そしてコンパクトとあって、若年層を中心に大ヒットとなったのだ。
■RAV4はエスクードのヒットで誕生した!!
もちろんライバルメーカーが黙っているワケもなく、1995年にトヨタ 初代RAV4が登場したほど。こちらはより敷居を低くすべく、FFベースのモデルであったが、初代エスクードの存在がなければ生まれていないモデルといっても過言ではないのだ。
もっといえば、スズキは今の世界的なコンパクトSUV市場に早くから目を付けていたのだ。2022年から33年も前に商品化させるその先見性は、実に見事だといえよう。
その後1998年登場の2代目モデル、2005年の3代目モデルまではラダーフレーム構造を踏襲した本格派モデルであった。しかも3代目、パジェロや少し前のランドローバーの各モデル同様、モノコックボディにラダーフレームを組み合わせたビルトイン方式を採用していた。
最終モデルとなった2015年デビューの4代目モデルは、フルモノコックとし軽量化を実施し、低燃費化を図るなど時代に即した進化を遂げてきたのだ。残念ながら日本市場においては2021年10月、32年にも及ぶ歴史に幕を閉じてしまったのだ。
■今こそ原点回帰を!
その後、新型モデルのアナウンスはなく、後継モデルが存在するかも不明である。一方、現行ジムニーはスクエアなボディとするなど、原点回帰を図り大ヒットとなっている。
それだけに、筆者個人としてはエスクードも初代モデルのコンセプトを踏襲し、復活を果たしてほしいところだ。2018年の現行ジムニー登場以来ウワサの絶えない5ドアモデルをエスクードの後継とするなど、どうだろうか!
【画像ギャラリー】初代エスクードと最終型エスクードを画像でチェック!ジムニーもいるよ(15枚)画像ギャラリー
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