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 自前のLMHル・マン・ハイパーカーを用い、2022年にWEC世界耐久選手権へ復帰することを目指していたバイコレス・レーシングは3月25日、『ヴァンウォール・バンダーベルLMH』と名付けられた新型ハイパーカーを初公開した。

 かつてのF1コンストラクターである“ヴァンウォール”の名を掲げるオーストリアのチームは、完成した車両で今春にもオントラックテストを開始する予定だ。

 WECのフルシーズン参戦をシリーズから拒否されたバイコレスのプロジェクトは、世界6カ国を巡るチャンピオンシップに参加しないにもかかわらず、現在まで予定どおりに進行しているものと理解されている。

 チームの開発ドライバーを務めるトム・ディルマンとエステバン・グエリエリは、来季2023年のWEC参戦を目標に、早ければ来月にもギブソン製エンジンを搭載したバンダーベルLMHのトラックテストを開始すると考えられている。

 ヴァンウォール・レーシングのバッジをつけたバイコレスのエントリー申請が却下された理由は、WECの広報担当者が当該プロジェクトに「書類上の問題」があることをSportscar365に確認したことをを除いて完全には明らかにされていない。

 これにはチームが国際競争におけるヴァンウォール・ブランドの権利を保有していないのではないか、という憶測もあった。

 しかし、ドイツの企業登記簿によるとLMHやロードゴーイングバージョンの提案も含め、バイコレスのオートモーティブ・プロジェクトはすべてPMC GmbHの傘下にあり、同社が商標のひとつとしてトニー・バンダーベルが創設したヴァンウォールの名称を保持している。

 25日に初公開されたヴァンウォール・バンダーベルLMHは、昨年デビューしたトヨタGR010ハイブリッドとグリッケンハウス007 LMH、そして今夏以降のWECデビューが予定されているプジョー9X8に続く第4のLMHマシンとなる。

 5番目のLMHモデルであるフェラーリの4輪駆動プロトタイプは、2023年に登場予定だ。

バイコレスが公開した『ヴァンウォール・バンダーベルLMH』
バイコレスが公開した『ヴァンウォール・バンダーベルLMH』