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<p>地下鉄も値上げへ…財政難で「禁じ手」連発の京都市</p><p>「貯金」にあたる財政調整基金は約20年前に枯渇し、足りない収入を補うために将来の借金返済に備えて積み立てている公債償還基金を取り崩す「禁じ手」を連発。早ければ令和7年度に企業の「破産」に例えられる「財政再生団体」に転落する事態が現実味を帯びるー。</p><p>「財政危機を克服できる見通しがたった。その先に展望が開ける」。2月、令和4年度当初予算案の発表の場で、京都市の門川大作市長は強調した。収支不足は3年度の236…</p><p>「財政危機を克服できる見通しがたった。その先に展望が開ける」。2月、令和4年度当初予算案の発表の場で、京都市の門川大作市長は強調した。収支不足は3年度の236億円から半減、117億円まで圧縮したことを念頭にした発言だ。しかし、収支不足を基金の取り崩しで穴埋めする状況は変わっていない。 京都市では、3年度当初予算案編成に当たり、500億円の財源不足が発覚。コロナ禍で表面化したかのようだが、背景には慢性的な財政難がある。平成初期に相次いだ大型公共事業や、開業以来赤字続きの市営地下鉄東西線の建設や経営危機救済で多額の借金を抱えたにもかかわらず、財政構造の見直しを先送りにしてきた結果、赤字体質が恒常化してきた。 「貯金」にあたる財政調整基金は約20年前に枯渇し、足りない収入を補うために将来の借金返済に備えて積み立てている公債償還基金を取り崩す「禁じ手」を連発。早ければ令和7年度に企業の「破産」に例えられる「財政再生団体」に転落する事態が現実味を帯びる。</p>