2月24~27日に開催されたWRC世界ラリー選手権第2戦ラリー・スウェーデンでは、カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が優勝。21歳にしてキャリア3勝目を飾った。彼の父親、ハリ・ロバンペラは優勝経験を持つ元WRCドライバーだが、他にもWRCウイナーの息子はいる。元世界王者ペター・ソルベルグの息子、オリバー・ソルベルグ(ヒュンダイi20 Nラリー1)だ。
オリバーは昨年ヒュンダイ入りし、育成ドライバーとしてWRCトップカテゴリーへの参戦を開始。最終戦モンツァでは総合5位に入り、それが現在までのベストリザルトだ。2022年がワークスドライバーとして迎える最初のシーズンながら、すでに上位を争うスピードを備えており、ロバンペラと並び将来の“世界王者候補”と期待されている。
父親のペターを知らぬWRCファンはいないはずだが、オリバーの母親、パニラ・ソルベルグも実はラリードライバーだった。WRCやヨーロッパ選手権にも出場し、ミツビシ・ランサーエボリューションでグループNクラスのポディウムを獲得したほどの腕前だ。
また、パニラの父親のパー・インゲ・ワルフリッドソンもスウェーデンを代表する名ドライバー。さらに、おじさんにあたるペターの兄、ヘニング・ソルベルグもWRCドライバーと、オリバーのまわりはトップドライバーだらけ。
ちなみに、ヘニングの実子オスカー・ソルベルグ、義理の息子であるポントゥス・ティディマンドもWRCドライバーと、ラリードライバーではない親戚を見つけるのが難しいほど。オリバーの“血中ラリー濃度”は、誰よりも高い。
オリバーは、子供の頃からクロスカートで腕を磨き、15歳でラリーデビューを果たす。ラリークロスのトップカテゴリーにも参戦しながら、ラトビアやエストニアの国内シリーズでキャリアを積み重ねていった。まだ20歳と若いがマシンコントロールは抜群にうまく、とくに雪上でのダイナミックな走りは素晴らしく、ヒュンダイチームの評価も非常に高い。
スピードとは関係ないが、走行中に集中力が高まると口が大きく開くのは、父親譲り。小さな頃、ドライビングゲームをしている時からそうだったから、これも血筋といえるかもしれない。
ロバンペラが父親の業績を早々に越えたように、オリバーも偉大なる父親を越える活躍を見せてくれるかもしれない。オリバー・ソルベルグは、今年、注目すべきドライバーのひとりだ。