米メディアなどによると、ロシア軍は24日、ウクライナへの侵攻を開始。軍事施設を対象に精密誘導団を使った攻撃を実施し、日本時間同日19時までに少なくとも8人が死亡した。
一方、ウクライナ情勢を巡って、中国側の出方が注目されている。イギリスのジョンソン首相が先日「台湾にも影響を及ぼす」と述べたように、中国側がロシア側に同調するような見方が強いが、この日の開戦を受けて中国側の反応はどうだったのだろうか。
山東省の地元紙・斉魯晩報は、ウクライナ情勢について山東大学ロシア中央アジア研究センターの馬風書主任を取材。馬は次のように答えた。
「キエフ占領の可能性も排除できない。すでに行動を開始した以上、西側からの制裁は不可避だが、ロシアとしては中途半端な形で終わらせることはしないだろう。ウクライナに西側寄りの政府を残さないよう行動することになる」
馬主任によると、先頭規模はそれほど拡大しないという。
「軍事力からして、ウクライナとロシアの軍事力の差は歴然で、攻撃されればひとたまりもない」
「欧米諸国が直接的な軍事行動に出ないことを、ロシアはよく理解しているはず。先日プーチン大統領はドイツのオーラフ・ショルツ首相と面会した際に、『NATOと比べてロシア軍は優位ではないが、ロシアには核兵器がある』と語っている」
欧米がロシアを止めることは難しいとの見解も示した。
「ロシアは経済制裁を長期的に受けており、もう慣れてしまっている。ロシアにとって対米貿易額は5%程度に過ぎず、アメリカからの経済制裁を恐れる理由はない。ドイツをはじめとした欧州との貿易額は一定の規模があるが、欧州から強い経済制裁を受けた場合は、天然資源の供給停止という対抗手段がある。ロシアからのエネルギーが閉ざされれば、ヨーロッパは大混乱に陥る」
また、中国外交部の華春瑩報道官は23日、記者会見を行いウクライナ問題について次のように言及した。
「ウクライナ問題については、米国が武器輸送を続けて緊張を高めており、恐怖感と戦争を煽っている。中国は話し合いによって問題が解決され、平和と安定が保たれることを望んでいる」
「制裁は問題を根本から解決する手段にはなり得ないと認識している。我が国は、一方的で不法な制裁について一貫して反対している」
中国はロシア・ウクライナともに経済的な結びつきが強く、アメリカとは対立する立場。ロシアのウクライナ侵攻を称賛こそしないものの、決して非難はしないというあいまいな立場を取ることで、漁夫の利を狙っているのかもしれない。