もっと詳しく

リーガルテックのキビタスが8000万円調達、すべての人々への司法アクセス実現に向けα版プロダクトの早期リリース目指す

「すべての人々への司法アクセス実現」に向けたアプリ開発を行うキビタスは3月25日、第三者割当増資による総額8000万円の資金調達を実施した。引受先は、リード投資家のXTech Ventures、ANOBAKA、クオンタムリープベンチャーズ(既存投資家)。累計資金調達額は1億5000万円となった(金融機関からの借入含む)。

調達した資金により、俗にいうプロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)の、発信者情報開示命令制度に関する法改正施行に合わせ、2022年中のプロダクト正式ローンチに向けた開発を加速させ、α版プロダクトの早期リリースを目指す。法務省からの解決サポート(ADR)認証も現在最終審査段階にあるという。

キビタスは、「司法サービスをもっと身近に」をミッションに、国内最大手損害保険会社との共同研究・実証実験をはじめ、身近に発生する法律トラブル解決を実現するサービスの研究開発を進めてきた。法律トラブルを経験した人のうち弁護士相談経験のある人は約2割という状況(日本弁護士連合会「法的な課題をかかえる人たちに関する意識調査」)を揶揄し「2割司法」と評される日本では、法律関連のサービスはまだ敷居が高く、高単価というイメージがある。

同社が狙う市場は、海外では「Online Legal Service」や「Alternative Legal Service」と呼ばれる領域で、弁護士事務所ではなく株式会社が主体となり、エンドユーザーへ直接サービスを提供する。米国ではすでに社会実装が進み、2021年6月に上場したLegalZoomや、近年急成長を遂げるDoNotPayなど様々なサービスが拡がりつつあるが、日本国内ではまだ黎明期にある。

SDGs(持続可能な開発目標)における目標16「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」に照らし、誰でも安価に法律サービスを受けることができる社会を作りたいという信念から、同社はスマートフォン用アプリでアクセスできる法律関連サービスの開発を進め、最初のプロダクトとして、インターネット上で発生する匿名ユーザーからの誹謗中傷対策(投稿記事削除・発信者情報開示請求)に焦点を絞って開発を進めている。