ENEOS スーパー耐久シリーズ2022 Powered by Hankookに参戦する『Team Noah HONDA CIVIC TCR』は、3月19~20日に鈴鹿サーキット(三重県)で開催されたシリーズ開幕戦『SUZUKA 5時間耐久レース』のST-TCRクラスに参戦。5時間を大きなトラブルなく走り切り優勝を遂げ、次戦の富士24時間につながるレース内容となった。
福岡に本拠を置くTeam Noah(代表:清瀧雄二)は、“九州に元気を! 九州のモータースポーツにもっとワクワクを!”を合言葉に九州のレーシングチームとして2018年よりS耐にフル参戦。参戦車両はホンダ・シビックTCRで、昨年は念願のクラスチャンピオンを獲得した。今回のドライバーは塚田利郎、蘇武喜和、霜野誠友、和田慎吾の4名で臨んだ。ST-TCRクラスは今回2台の出走で、全体では8つのクラスに50台がエントリー。鈴鹿は日本を代表する国際サーキットで、テクニカルな区間と高速区間が盛り込まれたチャレンジングなコース。昨年は2位でレースを終えている。
17日のフリー走行ではエンジンがかからないトラブルが発生したが、ウエットコンディションの18日に行われたフリー走行では午後に40周を走り込むことができた。19日朝には曇り時々晴れのなか、初めてドライコンディションで走りクラストップタイム、総合18番手で手応えを得た。午後の予選はA、Bドライバー2名のベストタイム合算で争い、塚田と蘇武のベストタイム合算の結果、総合18位、クラスポールポジションを獲得。また霜野、和田も基準タイムを難なくクリアした。
20日の決勝レースは、11時44分にグリーンシグナルが点灯しスタート。ステアリングを握る和田は序盤に他クラス車両と競っていたスプーンカーブの1個目でコースアウトを喫し、大きくタイムロスしクラストップを明け渡すことに。また他車両がクラッシュをしたことでFCY(フルコースイエロー)からセーフティカー導入となったが、このタイミングで総合トップの車両の後方にいたため、クラストップから1周近く離されることになった。しかし和田のペースは良く、トップとの差を縮めていくことができた。
和田は1時間40分ほど、40周を走りピットイン。ここで塚田に交代した。クラストップの97号車シビックはトラブルを抱えて緊急ピットインしたが、すぐにコースへ。しかしまたすぐにスローダウンしたままピットインしてガレージへ入りこのままリタイアとなった。これで塚田は難なくトップに戻ることができ、安定したペースで周回。約1時間10分、67周でピットインして蘇武に交代した。
蘇武はライバル不在となった状態でも次の富士24時間の展開を想定した走りを約1時間続け、93周でピットインしアンカーの霜野に交代した。霜野は98周目に2分16秒916とこの日のクラス最速ラップをマークしながらも安定した周回を重ね、121周総合16位でST-TCRクラスのトップチェッカー。昨年最終戦岡山に続き連勝を遂げ、幸先良い2022年のスタートを切った。
第2戦は、6月3~5日に富士スピードウェイ(静岡県)においてシリーズ最長の24時間レースとして開催される。
■コメント
塚田利郎
「走行中に97号車がスローダウンしているのを確認できたので、多分トラブルが出たのだと理解しましたが、クルマとタイヤを労りながらの走りに徹し淡々と走りました。木曜日はトラブルで走れなかったのですが、金曜日は雨のなかでしっかり走ることができてこれが吉兆だったのかもしれません。富士24時間でも連勝を目指し頑張ります」
蘇武喜和
「今回は路面温度も低く、そこそこのペースをキープしながらもタイヤを労りながら走ることができました。次の富士24時間に向けて内容の濃いレースになったと思います。本当は97号車との一騎打ちを望んでいたのですが、長いシーズンを考えると油断はできません。富士24時間はポイントも大きいですし、また2018年大会のように優勝したいと思います」
霜野誠友
「クルマのセッティングも決まっていましたし、ペース良く決勝レースを走ることができました。金曜日のウエットコンディションでは満タンでのチェックも済ませていましたしタイムも出ていましたので、今日のレースは良い走りができたと思います。次はシリーズを考えると大事な富士24時間ですが、また良い走りができるように頑張りたいと思います」
和田慎吾
「序盤に他のクラスの車両を抜く際に寄られスプーンの1個目でグラベルに出てしまい、コース復帰に時間がかかってしまいました。さらにセーフティカー導入時に運悪く周回遅れになってしまいましたが、そこから長いスティントで30秒詰めることができました。それなりに頑張ってチームに貢献できました。今回は優勝もできましたし自分を褒めてあげたいと思います」