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2022年に入り始めてから法外な価格で販売されていたGPUは正常化に向かいつつありますが、まだまだ高い状況にあります。そんなGPU価格ですが、主に転売や中古販売などを目的に海外のeBayを通じたGPUの取引価格が3月も大きな下落を記録しています。

GPU転売が儲かる時代は終わりへ!

GPU Prices are falling, March 2022 update shows 10-13% drop on eBay listings – VideoCardz.com

2021年はGPUの販売価格が定価に対して最大3倍、平均では2倍程度の価格で取引される事が常態化している状態となっていました。これはGPUの供給量に対して需要が大きく上回っていたことが起因となっており、2021年にGPUを買おうとしてもほとんどの量販店では品薄と言う状態となっていました。

この品薄に便乗して海外ではeBay、日本ではヤフオクやメルカリでGPUを販売価格以上で売る転売ヤーが多くなり、GPU品薄に拍車をかけてしまっていました。

しかし、2022年に入り始めると高値の販売価格や転売品GPUを買っていたマイナーがEthereum価格の下落すると同時にエネルギー価格の高騰などによって購入を控えるようになり、NVIDIAやAMD各社はエントリー向けGPUを投入するなど市場には多くのGPUが供給される状態にもなっています。

このような状況となっている転売市場ですが、価格下落が激しいようで3月下旬時点では取引価格が下がったと言われている2月下旬の時点に比べて更に10%以上も取引価格が下がり始めているようです。

eBayでの転売価格は1ヵ月で10%以上下落。Radeon RX 6600は22%も下落

GPU価格の動向について追跡しているYoutuber、Hardware Unboxedが3月時点でのNewegg上でのGPU販売価格やeBayでの新品GPUの転売価格と旧世代の中古GPUの取引価格の最新情報を公開しました。

Hardware Unboxedでは2021年3月からGPUの価格や取引価格を追跡調査しており、今回の動画で1年になるとの事です。

GPUの取引価格についてはGPUの販売価格とほとんど連動しており、3月時点での取引価格はNVIDIA製GPUでは概ね2月時点に比べて約10%ほど下がっているとの事です。

NVIDIA製GPUではGeForce RTX 3070 Tiが2月時点に比べると17%も下落しており、続いてRTX 3080 12GBの16%、RTX 3080 10GBの12%の下落となっておりハイエンドモデルを中心に転売価格は下落しているようです。これは恐らくハイエンドモデルを中心にNeweggやBestbuy、Microcenterなど量販店での在庫量が増えてきている事やEthereum価格の下落が大きな要因となっていそうです。

一方で、RTX 3060 TiやRTX 3060については2月から3~5%程度の下落に留まっています。

RTX 3050に関しては2月時点に比べると10%の下落と大きくなっていますが、こちらは発売直後の品薄を狙った転売によるもので、在庫状況が安定してきた3月時点では買い手が付かず下落率が大きくなったと見られています。

AMD製GPUでも2月から3月にかけて転売価格は13%と大きく下落しています。

最も下落が激しいのがRadeon RX 6600となっています。このモデルでは最近入手性が大きく改善しており販売価格も下がっていますが、同時にEthereumマイニングにおいてワットパフォーマンスが高かったためマイナーの注目を集める存在でしたが、Ethereumマイニングが下火となった現在では中古品が多く出回り転売価格も押し下げているようです。

他のモデルでも大きいモノですとRadeon RX 6700 XTが16%、Radeon RX 6900 XTやRX 6800 XTなどハイエンドモデルも11%ほど2月に比べると取引価格が下落していますが、こちらも入手性の改善や販売価格の下落が影響しているようです。

Radeon RX 6500 XTについては他のモデルと比べると7%と控えめな数字になっていますが、このモデルは発売当初から人気があまり無く販売価格も低い状態となっていたため、下値余地がほとんど無いと見られています。

中古GPUの価格も下落中。こちらも1ヵ月で平均10%ほど下落

NVIDIA GeForce RTX 2000シリーズ系

eBayでは転売よりどちらかと言うと中古GPUなどの取引に利用される面も多いですが中古GPUも新品GPUの販売価格の高騰によって2021年も高値で推移していました。しかし、販売価格が下落しはじめた2022年初旬から中古GPUの価格も連動して下落しています。

一世代前のGPUとして十分な性能があるGeForce RTX 2000シリーズではRTX 2060とRTX 2070などミドルレンジモデルが前月より14%下落、RTX 2060 Superも12%とおおっく下落しています。ただ、これだけ下落してもミドルレンジモデルのメーカー希望小売価格(MSRP)と同等レベルの価格となっているため、まだまだ高値水準と言えそうです。

一方でハイエンドモデルであるRTX 2080 TiやRTX 2080 Super、RTX 2080などは6~10%の下落となっていますが、これらのモデルはMSRPに対して10%ほど下回る取引価格となっているため徐々にお買い得感は増して行っています。

NVIDIA GeForce GTX 1600シリーズ系

エントリーモデルであるGTX 1660やGTX 1650系についても前月より12%ほど下落しており、GTX 1650については19%、GTX 1660 Superについては15%と大きく下落しています。これはRTX 3050やRadeon RX 6500 XTの登場によって高値では取引がされにくくなり始めているようです。

ただ、前月より平均12%ほど下落はしているものの、MSRPに対しては依然として30~52%と高値で取引されているため購入は控えた方が良さそうです。

NVIDIA GeForce GTX 1000シリーズ系

GeForce GTX 1000シリーズも他の傾向は同じで前月より10%の下落になっています。2世代以上前という事でMSRPに対してはGTX 1060系を除くと25%以上低い価格になっていますが、性能面で厳しい面もありMSRPに対して50%以上低い価格でないと寿命や年数を考慮するとあまり購入する価値があるとは言えなさそうです。

GTX 1060系についてはMSRPに対して6~17%と中古価格はかなり高値を維持していますが、こちらも避けてRTX 3050やRadeon RX 6500 XTなどを買った方が良いように見られます。

AMD Radeon RX 5000シリーズ系

AMDのRadeon RX 5000シリーズ系では前月に比べると取引価格は平均18%下落を記録しており、Radeon RX 5700 XTから5500 XTまで同じぐらいの下落率を記録しています。ただ、このモデルもMSRPに対しては割高な価格で中古品が取引されている状態になっています。

AMD Radeon RX 500/Vegaシリーズ系

発売から5年程度経過したAMD Radeon RX 500およびVegaシリーズですが、これらのモデルでは平均約15%の下落が記録されています。ただし、5年以上経過したGPUにも関わらずMSRPに対して高いモデルが存在しており、MSRP以下のモデルでも15%下回る程度となっていますので未だに手出しは無用な価格水準になっています。

 

eBayなどフリマ系サイトにおいてGPUを転売する行為は恐らく2021年5月頃などGPUが品薄かつ販売価格がまだ低かった時であれば儲かったと言えそうですが、2022年時点ではGPUの品薄も解消し始めており、販売価格と転売で取引される価格の差が大きくないため、eBayなどに支払う販売手数料や送料などを考えると大して利益が出なくなっていると見られています。日本では非LHRのGeForce RTX 3080などは高値で取引されていますが、現在は入手は不可能で、入手が可能なLHR版GPUについてはほとんどヤフオクに出回っていないまたは出回っていても販売手数料を考えると赤字のような状態になっています。簡単に言えば転売ヤーざまぁな状態になっています。

中古GPUについても新品GPUの取引価格が下がるのに釣られて取引価格が下落する方向にはありますが、依然として中古品としては高い水準にあり、MSRPを上回る価格のモデルが多い状態です。もし今後RTX 4000シリーズなどに買い替える事を考えており、数か月間はGPU無しでも生活できるという方であれば今のうちに売却するのも手かもしれません。一方で、中古GPUを買おうと考えている人は同じぐらいの性能の新品GPU、例えばRadeon RX 6500 XTやGeForce RTX 3050などと性能や価格を比べた上購入をした方が良いようにも思います。中古GPUでは前のユーザーがどのように使用していたか不明で、マイニングなど負荷がかかる使い方をしていた場合寿命が短くすぐ壊れる可能性もありますので、出来る事なら新品GPUを購入をお勧めします。

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