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隆助初陣 四 二人は赤みを孕(はら)んだ光に照らされて、夕闇が広がる山から、刈田が広がる冬の里に出た。百姓家にうわった蜜柑(みかん)の木は、今、夕日に似た色の実をたわわに実らせていた。根本近くで刈られた稲株からは、ひつじと呼ばれる小さくか細い葉が顔を出していて、風にふるえるひつじは西日…