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 東北地方の地震により東北新幹線の郡山-一ノ関間が不通で全線での運転再開は4月20日前後を予定している。記事執筆時現在の主に首都圏からのう回経路等をまとめた。すべての交通機関を網羅しているわけではないので、最新の状況は各事業者のホームページ等でご確認いただきたい。(本稿写真はすべてイメージです)

文:古川智規(バスマガジン編集部)


鉄道の不通区間と運転再開見込み

 2022年3月24日時点での鉄道不通区間と運転再開の見通しは次の通り。
・常磐線:全線で運転を再開。いわき-原ノ町間は徐行区間があるため10分程度の延着。原ノ町-仙台間は通常の7割程度で臨時ダイヤで運転し通常より30分程度余計に時間がかかる見込み。

・東北本線:通常ダイヤで運転するが、常磐線の臨時ダイヤの影響で【上り】仙台(6:50)発 岩沼行き、【下り】岩沼(7:20)発 仙台行きは当面の間運休する。

・東北新幹線:引き続き郡山~一ノ関間の上下線で終日運転を見合わせ。東北新幹線不通区間の東北本線・臨時快速列車は運転。

 東北新幹線の不通区間の運転再開については、郡山駅から福島駅の間は4月2日頃、仙台駅から一ノ関駅の間は同月4日頃の運転再開を計画。また4月20日前後の全線運転再開を目指して復旧工事中。

常磐線が運転再開

 常磐線の運転再開にともない、首都圏から仙台までが乗り換えなしで鉄道で結ばれる。特急ひたち号の仙台発着便は原ノ町-仙台間を臨時快速列車として運転するほか、いわき発着の特急ひたち号の一部がいわき-仙台間を延長運転し臨時快速列車として運転する予定。

 24日に仙台発着となるひたち号は、下り3号、13号、19号。上り14号、26号、30号。新幹線の輸送力と比較すると少ないが、乗り換えなしで品川発着で仙台までつながるのは大きい。

臨時列車乗り継ぎ

 東北本線の臨時快速列車は、郡山-仙台間で臨時快速列車が6往復、仙台-一ノ関間で4往復が設定されている。なお、仙台駅での臨時快速列車同士の乗り継ぎは考慮されていないため、相当な待ち合わせ時間が発生する。定期普通列車を考慮する必要があるかもしれない。臨時列車の運転期間は当面の間。

 秋田への日本海回りは引き続き利用でき、上越新幹線から特急いなほ号への乗り継ぎが利用できる。酒田発着の1往復(いなほ5/10号)が秋田まで臨時快速として延長運転されている。

 いなほ号の延長運転とは別に当面の間、いなほ9号(新潟発 17:16 酒田着 19:25)から下り普通列車 557M(酒田発 19:08 秋田着 20:57)へ接続をし、乗り継ぎができるダイヤになる。これにより普通列車 557Mは、接続待ち合わせのため酒田駅の発車が20分程度の遅れが見込まれる。日本海側の臨時扱いも当面の間実施される。

高速バス・東京→仙台

 JRの高速バスは首都圏から仙台方面を中心に増便・増車して東北新幹線の補完として対応している。記事執筆時現在では24日午後発の便は満席が目立つ。座席は「高速バスネット」と「発車オーライネット」の双方で管理しているので、満席の場合でも両方でチェックすると空席が見つかるかもしれない。

ジェイアールバス東北

臨時の航空便

 航空各社は羽田空港から仙台を中心として東北各方面への臨時便を設定している。

 24日は日本航空(JL)は仙台に3往復、花巻に2往復、山形に1往復の臨時便を設定している他、伊丹から花巻に1往復の臨時便が設定されている。
全日本空輸(NH)は、24日の便として仙台に4往復、福島に1往復を設定している。なお福島行きは現時点では24日までの運航。

仙台へは常磐線・東北本線乗り継ぎ・高速バス・航空便からの選択

 常磐線が運転再開することから、特急ひたち号を利用することにより乗り換えなしで約5時間で仙台まで行けるようになる。

 東北新幹線・郡山で東北本線の臨時快速列車に乗り継げば、3時間30分から4時間程度で仙台に到達できる。

 高速バスは乗り換えなしだが、東京駅やバスタ新宿から5時間30分程度かかるものの、便数としては夜行を含めて最も多い。航空便は空港まで(から)の時間を考慮しなければならないが1時間程度だ。ただし最も運賃が高いのでお財布との相談になりそうだ。

 (本稿の情報は正確を期すように努めていますが、ご利用の際は必ず事業者発表のバス停掲示やホームページ等をご確認の上でご計画ください。)

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