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<p>電力使用率“100%超”でも停電せず…カギは夜間の「揚水発電」</p><p>電力使用率“100%超”でも停電せず…カギは夜間の「揚水発電」 #日テレNEWS</p><p>初めて「電力需給ひっ迫警報」が出た22日、東京電力管内での電気の使用率が、午後2時台で107パーセントと、実際の供給力を上回っていました。なぜ100パーセントを上回ったのに停電しなかったのか…。そのカギは、夜間に行った揚水発電にありました。</p><p>初めて「電力需給ひっ迫警報」が出た22日、東京電力管内での電気の使用率が、午後2時台で107パーセントと、実際の供給力を上回っていました。なぜ、100パーセントを上回ったのに停電しなかったのか…。そのカギは、夜間に行った揚水発電にありました。 ■電力使用状況…供給力の範囲に“ギリギリ収まった” 有働由美子キャスター 「今も続いている初の『電力ひっ迫警報』ですけれども、22日、東京電力管内でどれだけの電力を使ったのかを表したグラフがあります。それによると、実際に使った電力量は、午前中から供給力を上回っていることがわかります。供給力に対する需要の割合を示す電力の使用率は、午後2時台で107パーセントとなりましたが、その後は、皆さんの節電の協力で、22日最大のピンチは乗り切りました。ただ、日中、100パーセントを上回っていたのに、この時点で停電とはならなかったのは、どうしてなんでしょうか?」 小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク 「数字の上では上回っているんですけれども、実際の所は『ギリギリ供給力の範囲に収まっていた』ということなんです。ただ、『事前に予定していた供給力では足りない』となったので、ギリギリまで火力発電を増やしたり、ほかの電力会社から譲ってもらったりしてまかなったということなんです。それに加えて、もう一つ、今回のカギとなったのが『揚水発電』です」 ■ピンチを乗り切った「カギ」、揚水発電とは 小野 「これは、夜のうちに余った電力を使って、あらかじめダムに水をくみ上げておいて、日中などに発電所を通して下に流すことで発電する方法なんですね。これ、普段も行われているんですけれど、22日は電力が足りなくなることが想定されていたので、フル稼働させてなんとかしのぐことができました。ただ、この水の量には限りあります。底をつけば、当然、揚水発電もできなくなります。そこで、『大規模停電が起こるかも』と、節電が呼びかけられていたんです」 ■電力は引き続き“綱渡り”な状況 「23日以降は、東京は22日より日中の気温が上がる予想ですから、電力の需要は減るとみられるんですが、東京電力によると、どれだけ電力に余裕があるのか示す『予備率』は、22日に引き続き、3パーセントを下回る見通しで、まだまだ綱渡りな状況が続くんですね」 「最大の理由は、『停止している火力発電所の復旧の見通しが立っていないため、安定的に電力を供給するのが難しいだろう』ということ。なので、やはり“綱渡りだと」 ■今後、どのように電力を安定供給していくべきか… 「今回突きつけられたのは、地震と隣り合わせの日本で安定的に電力を供給する方法ですが…落合さん」 落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー) 「例えば、原子力発電については、国防上も自然災害上もリスクがあるから、今のままの状態での稼働はちょっと危ないかもなと、個人的には思っています。例えば、土の中に埋めるタイプの地下式原子力発電所っていうのが、今まで検討されてきたことがあるんですが、そういう意味では、今挙げたようなリスクはある程度下げられるものです。以前と違って、だいぶコストの感覚もリスクの感覚も変わってきたので、「現実的ではない」と言われてはきましたが、現実的じゃないのを現実的にするのがテクノロジーなので、もう一回検討してもいいころなのではないかと思います」 有働 「中長期的なエネルギーがどうあるべきかということと、そして目の前のエネルギーですが、今後も厳しい状況が続きます。ちなみに暖房の設定温度を1度下げるだけでも、約10パーセントの消費電力の削減になるということです。ひっ迫していなくてもお得になります」 (3月22日放送『news zero』より)</p>