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<p>家での時間を豊かにする、若きアイデアに注目です。『サンワカンパニー デザインアワード 2021』</p><p>写真は『サンワカンパニー デザインアワード 2021』でCasa BRUTUS賞を受賞したシステムキッチン。 ⇒ 壁面に取り付けたレールで、自在にキッチンを組み立てることができます。#PR</p><p>「くらしを楽しく、美しく。」を目指すサンワカンパニー。若手デザイナーの登竜門ともなったコンペは、今年で6回目。コロナ禍で注目が高まる「おうち時間」に目を向けました。</p><p>■最優秀賞 『Gym Bench』/wah(八田 興/脇坂政高) 煩雑なトレーニング器具を、ミニマムに楽しもう。 アタッチメントで各種パーツを取り付けられるベンチ型トレーニング器具。トレーニング時はベンチプレスや腹筋などの補助器具となる。アタッチメントはベンチ下に収納を想定。デザイナーの狙い通り、ミニマルなデザインに煩雑となりがちな要素を収めたことが評価された。 How to Use① : Relax/Yoga How to Use② : Bench Press How to Use③ : Abs Exercise キッチンを中心に、住宅設備機器や建築資材の企画開発で知られるリーディングカンパニー〈サンワカンパニー〉。同社が継続するデザインコンペ『サンワカンパニーデザインアワード』は、いまや若手デザイナーの登竜門になったといってもいい。6度目の開催となる今年は、プロダクトデザイン部門の審査委員長に引き続きデザイナーの倉本仁を迎え、「おうち時間をもっと楽しく、もっと美しく」を主題にアイデアを募った。 最優秀作品は、八田興と脇坂政高のデザインユニット〈wah〉が提案した《Gym Bench》だ。長引くコロナ禍で在宅時間が増えるいま、日々の運動量が低下したことに悩む人も多いだろう。ミニマムなデザインのソファベッドを基盤に、アタッチメントの取り付けでベンチプレスや腹筋などを自宅で行える提案だ。トレーニング機器の多くが日常生活に馴染むデザインと言いがたい。住空間に馴染むデザインとしながら、トレーニングで日々にメリハリを与える提案は潜在的なニーズを掘り起こすだろう。八田と脇坂は 「サンワカンパニーの世界観に、ミニマルなデザインを見出しました」 ■Casa BRUTUS賞 『TRACKS』/ルドッツ・アドリアン システムシェルフならぬ、新しいシステムキッチンを。 壁面に取り付けたレールで、自在にキッチンを組み立てることのできるモジュラーシステムを取り込んだシステムキッチンを提案した。給排水を要する水回りや吸排気を要する換気口は固定となるが、他の要素はレール上での移動が可能だ。アドリアンは、「日本の住宅は狭いので、機能をセパレートすれば空間が広くなるのではないでしょうか。室内だけのモジュールではなく引っ越し先へキッチンごと持ち運べるような広がりをイメージしてデザインしました」と語ってくれた。 Casa BRUTUS賞を受賞したのは東京在住のデザイナー、ルドッツ・アドリアン。彼がデザインした《TRACKS》は、サンワカンパニーの主力製品であるキッチンに目を向け、その時間をさらに楽しいものとする提案だ。在宅時間が長くなったことで、キッチンのあり方そのものも多様になっているのではないかと、アドリアンは言う。彼はキッチンを構成するレールの上にすべてのパーツを設置可能なモジュラーシステムを提案した。キッチンの使用状況に合わせてパーツを組み替え、楽しめる場所となる。キッチンそのものを拡張、縮小することも可能で、住まいにおけるキッチンのあり方にも変化が生まれるだろう。 「モジュール化されたパーツは従来のシステムキッチンにはない提案です。提案を見てまず思い浮かべたのはシステムシェルフの存在です。しかしキッチンには配管の存在という大きな違いがあります。それを意識したうえでの提案だと思いますが、あえて挑む姿勢を評価しました」 と小誌編集長の西尾洋一は言う。 ■サンワカンパニー賞 『Clothesline Closet』/鈴木 学 エアコンを組み込んだ、多用途の造作システム。 日本の住空間には欠かすことのできないエアコンの存在。しかしその存在が時に空間のノイズとなる。そこでエアコンの目隠しカバーと室内物干し、収納システムを一体化し、セミオーダーの既製品として提案。多用途のシステムによって快適な生活を提供する提案を目指した。 総評で倉本は次のように語る。</p>