ポルシェのモータースポーツ責任者であるトーマス・ローデンバッハは、2022年のWEC世界耐久選手権においてLMDh車両の参戦が承認されたことについて、ポルシェにとって「興味深い選択肢」であると説明している。
3月18日、FIA世界モータースポーツ評議会は、2023年の正式導入に先立ち、2022年のWECハイパーカークラスにLMDh車両が参戦することを認める判断を下した。1戦ごとのスポット参戦がベースとなり、ホモロゲーション取得前のレース参加となることから、チャンピオンシップポイントは付与されない。
2023年から“ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ”としてWECおよびIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権に参戦するポルシェは現在、ベースシャシーを提供するマルチマチックと共同で、新たなLMDh車両の開発に取り組んでいる。
サーキットでの走行テストは2月にスペインのバルセロナで行われ、数日間にわたって2000km以上を走破したことを、ポルシェは明らかにしている。
ポルシェの次回のテストは、今年後半に北米のサーキットへと車両を送り出す前に、ヨーロッパで行われるものと理解されている。
ポルシェLMDhが2022年のWECのレースに出場するかどうかは、残りの開発作業がどのように進行するか次第のようだ。
「FIA世界モータースポーツ評議会の決定を歓迎する」と、ローデンバッハはSportscar365に対し独占的に提供された声明のなかで述べている。
「それは、ポルシェにとって興味深い選択肢かもしれない。この可能性を詳しく検討し、LMDh車両の開発状況に基づき、後日決定する」
ポイント対象外とはいえ、もしポルシェの年内参戦が実現すれば、現在ハイパーカークラスに参戦しているル・マン・ハイパーカー(LMH)、トヨタGR010ハイブリッドやグリッケンハウス007 LMHとの“対決”が、予定より1シーズン早く実現することになる。同クラスには2022年中盤以降、プジョーが開発中の新型LMH、『9X8』も参戦を予定している。
IMSAは先日、2023年に新設される最高峰クラス『GTP』でレースをする車両のホモロゲーション・タイムラインを明らかにしたが、WECはハイパーカークラスへ参戦するLMDh車両に対する要件などについては、明らかにしていない。
IMSAは2023年1月の開幕戦デイトナ24時間レース向けにホモロゲーションを希望するLMDh/LMHマニュファクチャラーに対して、2022年10月と12月に公式テストを設定している。