冬の岩壁をアイゼンの爪先でスルスル登り、墜落しても、後輩に「お前も落ちてこいよ」と笑っていた永田東一郎さんが、就職すると一転、何かと慎重な気の弱そうな男になっていた。 「東一郎は本来、そういうところがあったのかと思うんですが、とにかくあんなに慎重な男はいなかったですね」。そう言う…
冬の岩壁をアイゼンの爪先でスルスル登り、墜落しても、後輩に「お前も落ちてこいよ」と笑っていた永田東一郎さんが、就職すると一転、何かと慎重な気の弱そうな男になっていた。 「東一郎は本来、そういうところがあったのかと思うんですが、とにかくあんなに慎重な男はいなかったですね」。そう言う…