現地時間3月20日、2022年FIA F2第1戦サクヒールのフィーチャーレース(決勝レース2)がバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催され、サウバー育成の18歳、テオ・プルシェール(ARTグランプリ)が今シーズン初優勝。2位にリアム・ローソン(カーリン)、3位にユーリ・ビップス(ハイテックGP)というレッドブル育成のふたりが表彰台を獲得した。
終盤にセーフティカー(SC)が発動し、ラスト1周で解除され最後まで気が抜けないスプリントレースとなった一戦について、プルシェールは次のように振り返る。
「最後にSCが入ったから、一筋縄ではいかないレースだったよ。1周のレースでチェッカーフラッグが振られるわけだから、多くのストレスがあったし、そう簡単なものではなかった」
「ピットストップも含めてチームの戦略は申し分なかったね。これにはすごく助けれられた、ユーリは(オプションとプライムの)どちらのタイヤでも僕たちより少し速かったからね。今日は運が良かっただけじゃなく、僕たちが素晴らしい仕事をできたので最高の気分だよ。チーム、ザウバーアカデミー、家族に心から感謝している」
なおスタート直後に順位を落としたことについて触れられると「ちょっと戸惑ったよ。昨年のジェッダでの一件(スタート直後に大クラッシュ)以降、スタートには本当に自信がない。そこは改善すべきところだよ。頭の中にその時のことが浮かんでしまい、精神的につらいし、簡単じゃない。ただ、今回は悪くなかったと思う。オープニングラップを終えて4番手だったからね。次のレースではいいスタートをきり、1周目をしっかり終えられるよう改善していく」とトラウマと戦う一面ものぞかせた。
スプリントレース(決勝レース1)に続く連続表彰台を獲得したローソンは「レースはかなり良かった」と開口一番に語る。
「スタートが本当に良かったね。正直なところ、ターン1で2番手になれると思ったけれどジャック(ドゥーハン/ビルトゥジ・レーシング)に抜かれてタイヤがボロボロになってしまった。ターン4でテオに並んでブレーキングを遅らせようと思ったんだけど、フロントタイヤのグリップが無くて、引くしかなかった。プライムタイヤの方が少し苦労したよ」
「それでもピットストップが上手くいったので、オプションタイヤに履き替えてからはいいポジションに戻れた。マシンは速かったけれどプッシュしたことでタイヤを使い過ぎたよ。オプションタイヤのアウトラップがかなり遅くて、少し後退してしまった。ポイントには満足しているけれど、優勝を逃したのは少し残念だ」
ファイナルラップが1周のスプリントレースとなり、リスタート時はアグレッシブに攻めることはしなかったという。
「実はギリギリまで接近してアグレッシブに行くことを考えたよ。けれどSCがとても遅くてブレーキの温度を保てなかった。リスタート時にブレーキが効かなくなるのは嫌だった。だから安全策を取ることにしたからロスが大きくなってしまった。ブレーキに自信があれば、何かできたかもしれないね」とブレーキ温度に問題を抱えていたことを明かしている。
序盤は快走するもピットストップで大きくタイムロスし、結果的に3位となったビップスはこのロスについて「今日はすごく残念な気持ちだ、勝てたレースだったからね」と肩を落とす。
「どちらのタイヤコンパウンドでも最速だった。ピットストップで起きたちょっとした失敗が勝てたレースを難しくしてしまった。それがすべてだよ。でも1週間後には新たなレースがあるんだから、それはそれさ」
今回のマシンの仕上がりについて聞かれると「マシンは一見良さそうに見えても、レースとなると感触がよくない時がある。今回は僕よりも他のドライバーが苦戦していたように思える。ただ、フィーリングが良い時はライバルたちよりも速く走れる。おそらく今日のマシンセッティングはベストだったと思う。すごく良かったよ」とコメントしている。