先週16日、東北沖で起きた強い地震で一部の火力発電所などが停止中の状況で、3連休明けの冷え込みで電力需要の逼迫が懸念されている。このため、東京電力ホールディングスと傘下の送配電会社、東京電力パワーグリッドは21日、「家庭や職場などで不要な照明を消し、暖房温度の設定を20度とするなど、節電にご協力いただきますよう」などと要請する声明文を発表した。
東電側の発表が報じられると、一部のネット民から「もうさ原発再稼働しようや」などと原発の再稼働を求める声も強まっている。反原発派の抵抗論は根強いものの、折からの原油高による電気料金高騰に加え、ロシアとウクライナの戦闘の長期化で世界的な資源価格の上昇も追い討ち。東日本大震災以後の「脱原発」や、近年の「脱炭素」ブームの時のような状況とは様変わりする兆しがある。
東京電力パワーグリッドのツイッターはここ数日、再三にわたって節電を要請する投稿を繰り返している。リツイート数は18日のツイートが8000近く、20日の投稿は2700を超えるなど反響が大きい。
◆お知らせ
3/16の福島県沖地震により、東日本の一部の発電所が継続的に停止している状況です。本日は悪天候により低気温で電力需要が増加しております。本日21~22時の間の東日本の電力需給がとても厳しい状況です。不測の停電を回避するために、節電のご協力をお願いいたします。— 東京電力ホールディングス 株式会社 (@OfficialTEPCO) March 18, 2022
いずれのツイートにもネット民からは
柏崎原発、早急に再稼働してください。
厳しいのは想像してましたが早く大規模に告知すべきだし原子力発電準備しましょうよ。。。
節電するから原発動かして電気料金下げて
原子力発電、待ってます!
などと、原発再稼働を求める声が続々と書き込まれている。東電に対し「煽ってるだけ」などと穿った見方や批判する人も散見されるが、全体としては原発再稼働も選択肢に入れつつ、この状況を打開するように訴える声が少なくない。
しかし、東電が原発を動かそうにも国の原子力規制委員会の厳しい審査・検査をクリアしなければならないが、最終的には政治決断に負うところが大きい。自民党商工族の参院中堅議員は「厳密に安全性を確認することは前提だが、この局面で再稼働させないでいつやるのだろうか」と電力の安定供給に危機感を示す。野党側も、日本維新の会と国民民主党が政府に再稼働を要請している。
仮に国がゴーサインを出しても実務的な準備期間に一定の日数を要するのは確かで、決断が早期に迫られる分、さらに厳しくなる。参院選までは波風を立てないように徹してきた岸田首相の対応に焦点が集まりそうだ。